左利きは世界人口のおよそ10%、というのはよく聞く話です。
そのせいでハサミや自動販売機、駅の改札など世の中のほとんどの製品が右利き用に作られていますよね。
実は私も左利きなので左利きの苦悩はよくわかります。
スープバーの片側が注ぎやすくなっているお玉は滅ぶべきだと思っています。(両側とも注ぎやすくなっているお玉は神です)
そんな肩身の狭い左利きですが、ギターやベースの世界でも同じように少数派です。
今回はそんな左利きのギターを使うことのメリット・デメリットを紹介していきます。
左利き用ギターを使うメリット
1.カッコいい
左利き用のギターを使う最大のメリットはカッコよさです。
左利き用のギターやベースを使用している人はかなりレアなのでライブハウスなどで左利きのギタリストやベーシストはかなり目立ちますし、かっこいいです。
著名な人物だとポール・マッカートニーやカート・コバーン、国内だと松崎しげるさんやWANIMAのボーカル、KENTAさんなんかが左利き用のものを使用していますね。
2.ギターを構えたときに違和感がない
ハサミでも何でもそうですが、左利きの人が右利き用のものを使うときなんとも形容しがたい使いにくさがあるものです。
これはギターも同様で、左利きの人が右利き用のギターを持ったときに少し違和感があります。(私もそうでした)
ただこれは慣れの要素が大きく、右利き用で始めたとしてもすぐ気にならなくなると思いますのでメリットと言うほどのことではないかもしれません。
3.ピッキングニュアンスがつけやすい
ギターを弾く上でピッキングニュアンス( ≒ 弦を弾く力の強弱)というのはかなり重要です。個人的には弦を押さえる方の手よりも重要だと思います。
右利き用ギターを右利きの人が使うとき、弦を弾くのは利き手である右手ですよね。
対して左利きの人が右利き用のギターを使用した場合、
弦を弾くのは右手 = 利き手ではない方の手
ということになります。
当たり前ですが左右の手の器用さは
利き手じゃない方の手 < 利き手
となるので必然的にピッキングニュアンスが出しにくい傾向にあります。
左利き用のギターを使えばこのデメリットは解消できますが、これも練習や慣れでカバーできるのでそこまで気にすることはないと思います。
左利き用ギターを使うデメリット
1.左利き用ギターの数が少ない
これが左利きギタリストの最大の問題だと思います。
楽器屋さんを覗いてみても左利き用のギターやベースは全体の10%もありません。お店の規模にもよりますが、1店舗に5本あればいい方です。
そうなると必然的に選択肢が狭くなり、欲しいギターを見つけても左利き用が販売されておらず諦めることになりかねません。
東京近郊の方でしたら御茶ノ水に左利き用のギター・ベースを専門に取り扱う谷口楽器という楽器店がありますのでそちらを利用するのもいいでしょう。
2.右利き用のギターより高価な場合が
通常の右利き用ギターと比べて左利き用のものは値段が高い傾向があります。
生産数や設備に対するコストを考えると致し方ないことかもしれませんが、どんなものであれ少しでも安く買いたいですよね。
3.コード譜が左右逆になる
通常のコード譜は右利き用に作られています。
例えば上の図は「C」のコードフォームですが、左利きの人がコード譜を読み取る場合は以下のように左右を反転させないと読み取りづらいです。
初めのうちはこれがかなりめんどくさく感じると思います。コードを覚えてしまえば問題ないのですが、やはり右利きと人と比べると手間であることは間違いありません。
ちなみに松崎しげるさんや甲斐よしひろさんは右利き用のギター弦を張り替えることなくそのまま左右逆に構えて使っています。それもひとつの方法ですが、かなり難易度が高いでしょう。
まとめ
いくつかのメリットとデメリットを紹介しましたが、左利き用ギターを使うのはメリットよりもデメリットの方が大きいです。
特にギターを始めるときに障害となる要因が多くあるので左利きの初心者こそ右利き用のギターを使うべきだと思います。
極端なことを言うと、慣れてしまえば左利き用ギターを使うことのメリットなんて無くなります。
右利き用でもカッコよくギターは弾けますし、練習を重ねればギターを構えたときの違和感もピッキングニュアンスのつけづらさもなくなります。
また、左利きの人は経験上右利き用に作られたものに適応する能力が高いと思いますので、左利きの人が右利き用のギターを使ったところで上達が遅くなるなんてことはないです。
実際に左利きの筆者も右利き用のギターを使用していますが、利き手と逆だからといって特に不便を感じたり困ったりした経験はありません。
左利きの皆さん、是非とも右利き用ギターをかき鳴らしていきましょう!