【徹底解説】なぜギターは高いのか

ギター

 

誰もが一度は思ったことがあると思います。「ギターって高くね?」

板切れに部品をつけて色を塗ったものが楽器屋さんで何十万円もの値札を掲げているなんて冷静に考えたらおかしいような気もします。

フェンダーやギブソンのカスタムショップやPRSのプライペートストックのものは100万円以上するものも...

30万とか100万あったら海外旅行に行けますし、下手すれば自動車だって買えちゃいます。

腕時計や自動車とかのほうが明らかにギターより構造が複雑ですし、お金かかってそうですよね。

 

そこで今回はなぜそんなにギターが高いのかを解説していきます。

 

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1.材料費が高い

ギター 材料費

ギターは基本的に木から作られています。

ギターをはじめとした楽器製作に使用される木材には見た目の美しさや高い強度が要求されますので、その条件を満たすアルダーやメイプル、マホガニーなど比較的値段の高い木材を多く使用しています。

また、同じ種類の木材でも杢目の美しさや密度によってもグレードがあり、そこでも高い安いがあります。

実際に個人用にギター用木材を販売しているaimokuを覗いてみると、比較的安価と言われるバスウッドの低グレード材でも2,100円〜と意外と高いのがわかります。

ホームセンターとかで販売されている木と違ってギターなどの楽器に使用される木って意外と高いんです。

高いギターほど良い木材を使用している印象ですね。

 

そして、板状の木材を加工した際に発生する反りや変形を抑制するための「シーズニング」と呼ばれる工程にもお金と時間がかかっています。

伐採した木から切り出しただけの木材は水分の含有量が多く、そのまま加工したり組み立てたりしてしまうとその後気温や湿度の変化によって大きく変形してしまいます。

そこで木材を寝かせて(乾燥させて)中の水分を蒸発させ、後に気温や湿度の影響を受けにくい木材にするのがシーズニングです。

家具用の木材などと比べ楽器用の木材はシーズニングに手間や時間がかかるため、楽器用の木材は高くなる傾向にあるようです。

さらに近年ではワシントン条約でマホガニーやローズウッドなど、ギター製作によく使われる木材の輸入・輸出が規制されつつあるため、木材の価格が高騰しているのもギターの高価格化に拍車をかけています。

 

また、高いギターであればあるほど装飾やピックアップ等の部品が豪華になってきます。

ポジションマークやヘッドのロゴにはアバロンやパールなどがあしらわれ、ピックアップやペグ、ポットなどの部品はハイグレードのものが使用されています。

このような装飾や部品も価格を押し上げている要因のひとつです。

 

2.人件費が高い

ギター 人件費

一昔前と比べるとNCルーター等の加工機の技術も発達し、人の手が加わることは少なくなってきてはいます。

しかし、ボディやネックの仕上げや塗装、組み立てなどにはまだまだ熟練した職人の手が必要となることが多く、相手は個体差のある「木」ですから今後も全てを機械任せにすることは難しいようです。

また、多くのギター製造メーカーのあるアメリカの平均年収が日本と比べ少し高いこともギターの価格が高くなる要因のひとつでしょう。

特にFenderやGibsonのカスタムショップの製品はジョン・クルーズ氏やトム・マーフィー氏をはじめとする人間国宝級の職人が携わっていたり、あえて長期間使用してきたかのような汚れや色落ちを再現していたりする製品があったりと、人件費がかかっていることが伺えます。

 

3.ブランド料が高い

ギター ブランド料

これは高級なギターによくかかっていると言われるお金です。

ギターに限らず服や時計にも「ブランド品」ってありますよね。グッチやルイヴィトン、ロレックスなどなど...

服や時計に詳しくなくても一度は耳にしたことのある有名なブランドがあるはずです。

そういったブランドのものは総じて高いイメージですよね。アウトレットとかに店舗があっても入るのにちょっと勇気がいります。

 

ギターにもそれらと同じくフェンダーやギブソン、PRSなど多くの有名ブランド(メーカー)があり、どのブランドのギターも総じて高い傾向があります。

そういったブランドを語るときに必ず出てくるのが「ブランド料」です。

「ブランド料」と聞くとただ値段を上乗せしているだけ、みたいな悪いイメージが先行してしまいますが、

ここではブランド料 = ブランドイメージを維持・向上させるためにかかる費用と捉え、説明します。

 

ハイブランドを抱える企業は自社製品のブランド力を維持したり向上させたりするために、高い広告費の捻出や品質管理をしています。

ファッションブランドであるならば自社の服やアクセサリーを身につけた一流モデルを世界の有名なファッションショーに出したり、雑誌に広告を掲載したりすることで自社製品をアピールしています。

これは楽器メーカーも同じで、有名ミュージシャンとエンドースメント契約を結んだり、雑誌に広告を掲載したりすることで自社製品の広告活動を行なっています。

 

こういった宣伝活動に加えて製品の品質管理にも注力しています。

いくら名の通った歴史あるブランドであろうとデザイン性や品質の悪い製品を製造し続けてしまったらそのブランドの未来はありません。

ブランドの伝統を守りつつ、変わりゆくニーズに応えながら何十年、何百年とブランドを維持していくのには大変な苦労と時間がかかるものです。

ブランド料がかかっているのにもちゃんとした理由があるってことですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ギターが高いのは

  • 材料費
  • 人件費
  • ブランド料

にお金がかかっているからなんですね。

もちろんこれ以外にも輸送費や小売手数料など様々なお金がかかっていますが、大きくウェイトを占めているのはこの3項目だと思います。

 

もちろん高いギターほど良いわけではなく、安価でも良いギターはたくさんあります。(実際に筆者のメインギターはフェンダージャパンです)

このような知識があると少し高くても納得してギターを買うことができますよね。

 

 

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