【5分でわかる!】ギブソン エクスプローラーの特徴

ギターギブソン

ギブソン・フライングVと並んで変形ギターの代名詞ともいえるギターがエクスプローラーです。

メタリカのジェームズ・ヘットフィールド氏やチープ・トリックのニック・ニールセン氏などが使用していることでお馴染みのギターで、ハードロックやヘヴィメタルで使用されることの多いギターです。

今回はそんなエクスプローラーの歴史や特徴に迫っていきます。

 

スポンサーリンク

歴史

エクスプローラーはフライングVとともに1958年に登場しました。

発売当初は「フィーチュラ」という名前でしたが、すぐにエクスプローラーへと変更されています。

1950年代後半のギブソン社はフェンダー社の勢いに押され気味で、世間から「ジャズギターを作っている地味な会社」といったイメージを抱かれつつありました。

こうした状況を打開すべくエクスプローラーは開発されましたが、逆に奇抜すぎて全く売れず、1963年には生産を中止してしまいます。

発売開始から生産中止までに生産されたエクスプローラーはわずか80本ほど。この間に生産されたエクスプローラーは超プレミア品で、日本円にして2500万円以上の価格がついています。

 

売れなさすぎて生産を終了したエクスプローラーですが、ハードロックやメタルが流行りつつあった1975年には生産が再開。世界中のHR/HM系ギタリストに愛されるギターとなっていきました。

「早すぎた先駆者」といった言葉がぴったりなギターと言えますね。

 

サウンド

ハイパワーなハムバッカーが搭載されているため、ギブソンらしい中低域に特徴のある図太いサウンドとなる傾向にあります。

またボディサイズが大きいため比較的鳴りも良く、サスティーンも必要十分。

激しい歪みはもちろんのこと、クリーンやクランチでもその存在感を発揮します。

 

構造

ボディ

ボディは初期モデルがコリーナ製、現行モデルはマホガニーやメイプルで作られています。

ギブソン傘下のエピフォンでは稀にコリーナボディのエクスプローラーが販売されることもあります。

平行四辺形を引っ張って伸ばしたような独特のシェイプは現代においてもインパクト抜群。

見た目は奇抜なものの厚みはないため軽量でバランスが良く、ハイポジションの演奏性も高い優等生なボディを持っています。

ネック・指板

ネックはボディ同様初期モデルはコリーナ、現行モデルはマホガニー製。指板は発売当初から一貫してローズウッドです。

ヘッドはギブソン伝統のヘッドストックではなく、片側6連ペグの専用デザイン。その形状から「バナナヘッド」や「ホッケースティック」とも呼ばれます。

最初期のモデルは両側に3つずつペグを配置したV字型のスプリットヘッドでしたが、数ヶ月足らずで現在の形状へと変更されています。

ピックアップ

エクスプローラーのピックアップはハムバッカーが基本で、レスポールやSGのようにP-90を搭載したモデルはありません。

ハードロックやメタルに使用されることが多いため、パワーのあるピックアップが搭載されているモデルが多い印象です。

ブリッジ

ブリッジはレスポールなどでお馴染みのチューン・O・マチックが標準です。

近年ではフロイドローズのようなビブラートユニットを搭載したモデルも登場しています。

 

名前の由来

エクスプローラーは日本語で「探求者」といった意味を持ちます。

エクスプローラーが発売された1958年当時はこんな奇抜な形のギターなんて存在していませんでしたから、エレキギターの新たなスタイルを探求する、といった意味を込めて命名されたようです。

時代が追いつくのには少々時間がかかったものの、奇抜なボディシェイプでエレキギターの1ジャンルを築いたことから、このギターにぴったりなネーミングといえますね。

 

いろいろなエクスプローラー

あまり知られていませんが、エクスプローラーにはいくつかの派生モデルが存在します。

エクスプローラー E/2

1979年から1983年まで生産されたモデル。「エクスプローラーⅡ」とも呼ばれます。

ボディシェイプこそ通常モデルと同一ですが、レスポールのような木目の出たメイプルトップやクリーム色のバインディング、細かいチューニングが可能なTP-6ブリッジなど、通常モデルよりも豪華な仕様となっています。

 

エクスプローラーⅢ

1984年から1年間のみ生産されたエクスプローラー。

ストラトキャスターを意識しているのかアルダー製のボディにP-90が3基マウントされています。

エクスプローラー エルボーカット

エクスプローラー6弦側のボディエンドが大きくカットしたモデルです。ボディ形状以外の仕様は通常モデルと共通です。

エリック・クラプトン氏がこの形状のエクスプローラーを使用していたことから、「クラプトン・カット」とも呼ばれます。

ボディエンドをカットすることよってボディと肘が当たりにくくなり、演奏性を向上させています。

リバースエクスプローラー

エクスプローラーの誕生50周年を記念して2008年に製作されたモデル。

その名の通りボディが通常モデルとは逆になっており、稲妻型のピックガードと相まって強烈なインパクトを持ったギターです。

奇抜なボディにばかり目がいってしまいますが、ゴールドハードウェアやカーボンファイバーが使用されたピックガードなど細部までこだわって作られたことがうかがえるギターです。

 

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
みやちをフォローする
エレキギター解体新書