レリック加工(エイジド加工)をDIYで!

ギター
Photo by Caught In Joy on Unsplash

楽器屋さんでは新品にも関わらず傷や割れの入ったギターが販売されています。

巷では「レリック」や「エイジド」なんて呼ばれますが、どれも30万円を超えるような高級品ばかり。

安く済ませたい場合は手持ちのギターにDIYでこういった加工をする、といった手段もあります。

今回はそんなレリック加工(エイジド加工)のあれこれやDIY行うための作業方法などについて解説していきます。

 

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そもそもレリック加工(エイジド加工)とは?

レリック加工とは、新品または比較的新しいギターを長年弾き込んで使い古したように見せる加工のことです。デニムのダメージ加工やプラモデルのウェザリングと同じようなイメージです。

ギターが何かにぶつけたり擦れたりした拍子に付く打痕や塗装剥がれ、塗膜の収縮による割れ(ウェザーチェック)、汗や紫外線によるサビ・色褪せなどを再現しています。

Fenderでは「レリック(Relic)」、Gibsonでは「エイジド(Aged)」と呼ばれています。

ビンテージギターのような渋い雰囲気を持ちながらビンテージほどシビアな管理を必要とせず、価格も安い(あくまでビンテージに比べると、ですが)ため賛否両論あるものの人気のギターです。

 

レリック加工がサウンドに与える影響

レリック加工について気になるのがサウンドの変化です。

理論的には塗膜が薄くなる(無くなる)ためボディがよく振動するようになります。具体的に言うとヌケがよくなり枯れたサウンドとなる傾向にあります。

ただサウンドの変化はごくわずかで、劇的に音が良くなったり悪くなったりすることはありません。

また、レリックだから音が良い、なんてこともありません。

 

DIYによるレリック加工

はじめからレリック加工が施されたギターはなかなか手の出ないものばかりですが、レリック加工は後からDIYで行ったりリペアショップに依頼したりすることで安く仕上げることも可能です。

自分で加工を行うのは不安... という方はリペアショップに依頼しましょう。ボディ、ネック合わせて10万円近くかかってしまいますが、DIYで行うよりも格段に綺麗な仕上がりとすることができます。

 

DIYレリック加工の注意点

レリック加工をDIYで行う上で必ず頭に入れておきたいのが「市販されているレリック加工のギターほど綺麗な加工はできない」ということと、「ポリ系塗装のギターのレリック加工は難しい」ということです。

加えて失敗しても元に戻すことができないため、本当に加工しても後悔しないかしっかり検討してから行いましょう。

 

また、「ボロボロ」と「レリック」は紙一重。やたらめったら傷をつけたり塗装を剥がしたりすればいいわけではありません。

作業時にはビンテージギターの画像などを確認しながら少しずつ加工していきましょう。

 

ボディ・ネックの加工

ヤスリ・スクレーパー

棒ヤスリや紙ヤスリ、スクレーパーを使って塗装を剥がしたりツヤを消していきます。

比較的入手しやすい工具ですので気軽に挑戦できる方法かと思います。

ツヤを消す場合は目の細かい紙ヤスリ、塗装を剥がす場合は目の粗いヤスリ、広範囲の塗装を剥がす場合はスクレーパー、といった感じで状態に合わせて工具を変えてやるのがベターです。

 

ベルトのバックル

ボディ背面に付くバックル傷を再現する場合にはそのままバックルを当てて傷を付けるのがおすすめ。

バックルをボディに当てた状態でバックルをハンマーなどで軽く叩くと狙った位置に傷がつけやすいです。

 

カッターナイフ

ボディ表面にカッターナイフやデザインナイフで傷をつけて小傷やウェザーチェックを再現する方法です。

細く鋭い刃物を使ったほうが自然な仕上がりとなるため、クラフト用のデザインナイフを使用するのがおすすめ。また、完成状態をイメージしやすくするためにあらかじめ傷を付ける位置に鉛筆などでケガキを入れておくと失敗しにくいです。

手作業で傷をつけていくため思い通りの仕上がりにすることができるのが最大のメリットですが、ボディ全体にわたってウェザーチェックを入れるような場合はかなりの根気が必要となります。

 

冷却スプレー

塗装面を冷却スプレーで急冷し、ウェザーチェックを入れる方法です。あらかじめ表面をドライヤーで温めておくと効果が現れやすくなります。

スプレーを吹きかけるだけの手軽さは魅力的ですが、割れ具合をコントロールできないのがデメリット。

ボディの場所によっては蜘蛛の巣状にクラックが入ってしまい、不自然な仕上がりとなってしまうこともあるため注意が必要です。

 

金属パーツの加工

金属パーツは経年劣化によってサビやくすみが発生します。これらは数年弾き込むことによって自然についてきますが、新品の段階から再現することも可能です。

ただしブリッジやペグなどパーツはサビさせすぎると可動しなくなってしまい、弦高やチューニングの調節できなくなってしまうため注意しましょう。

酸性洗剤

サンポールなどの酸性洗剤に金属パーツをつけおきし、自然乾燥させることでくすみやサビが発生します。酸性洗剤がない場合は塩水でも代用可能です。

つける時間が長いとサビが発生し、短いとくすみが発生します。

さらに強力な腐食液につける方法もありますが、廃液の処理が大変だったりサビすぎてボロボロになってしまったりするため避けましょう。

 

プラスチックパーツの加工

プラスチックパーツは黄ばみを発生させることでビンテージ感を演出することができます。

ピックガードやノブなどのプラスチックパーツは比較的お手頃な価格でエイジング(黄ばみ加工)されいるものが販売されていますのでそちらを購入して交換するのが最も手っ取り早いかと思います。

DIYで行うとなると染料で軽く染める、というのが綺麗に加工できる方法です。

染料

樹脂専用の染料を使って黄ばみを再現します。

染料と水を混ぜた液体を鍋に入れ、プラスチックパーツとあわせて煮ることによって着色していきます。

どの部品でも言えますがやりすぎるとかえって不自然な仕上がりとなってしまいますので着色状態をしっかり確認しながら作業していきましょう。

 

最後に

レリック加工が施されたギターは独特な雰囲気やサウンドを持ちます。人によって好き嫌いが分かれますが、ステージ上では目立つギターとなること間違いなしです。

また、自分で作業を行うことによってより愛着も湧くようになるはず。

最後に繰り返しになりますが、一度レリック加工をしてしまうと元に戻せなくなってしまうため、慎重に検討を行ってから作業するようにしましょう。

 

 

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