【5分でわかる!】テレキャスターの特徴

ギターフェンダー

ストラトキャスターと並んでFenderを代表するギターのひとつがテレキャスターです。

1952年から生産されているギターですが、今日に至るまで大きな仕様変更を行うことなくほぼ発売当時の仕様のまま販売されている超ロングセラーモデル。

今回はそんな世界中のギタリストから愛されているテレキャスターの魅力を紹介していきます。

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テレキャスターの歴史

先述の通りテレキャスターは1952年にフェンダー社より発売されたエレキギターです。

「テレキャスター」という名前で登場したのは1952年ですが、1949年にはテレキャスターの元となった「エスクワイヤー」(ピックアップが1つだけ搭載されたモデル)が、1950年にはピックアップを2つ搭載し現在のテレキャスターの形となった「ブロードキャスター」が販売されました。

「ブロードキャスター」という名前はすでにグレッチ製のドラムに使われており、商標上の問題が発生。フェンダー社は改名を余儀なくされ、1952年に「テレキャスター」と名付けられました。

ちなみにブロードキャスターという名前が使えなくなってしまってからテレキャスターという名前が付くまでに生産された個体はヘッドにモデル名の記載が無いことから「ノーキャスター」と呼ばれています。

ブロードキャスターとノーキャスターは生産本数が少なかったため、現在では超がつくプレミア品となっています。

その後1968年にはセミホロウ(中空)ボディを採用したテレキャスター・シンラインが、1972年にはフロントにハムバッカーを搭載したテレキャスター・カスタムが発売され、細かな仕様変更を繰り返しながらも基本的な設計はそのままに現在まで生産が続けられています。

 

テレキャスターの構造

テレキャスターはそれまであまり重視されてこなかった生産性やメンテナンス性を重視して設計された革新的なギターです。

楽器というよりも工業製品や道具、といったニュアンスの方が近いといえますね。

このため他のギターにはない特徴を数多く持っています。

1.ソリッドボディ

photo credit: Freebird_71 2015 Fender Telecaster Classic 60s Baja FSB via photopin (license)

テレキャスターは誕生以前まで主流だったホロウ(中空)ボディではなく、中身に空洞がないソリッドボディを採用しています。

また、アーチトップ(レスポールのように表面が曲線的に加工されたもの)も採用せず真っ平の板を使用しているところもポイントです。これゆえにテレキャスターはしばしば「まな板」なんて呼ばれたりします。

これによって加工の手間が省け生産性を向上でき、同時にコストカットも実現させた画期的な構造と言えます。

2.デタッチャブルジョイントネック(ボルトオンネック)

photo credit: Freebird_71 2007 Fender Classic Player Baja Telecaster (Desert Sand) via photopin (license)

テレキャスター登場以前のギターはネックとボディは互いの溝を合わせて接着剤で固定する、いわゆるセットネック方式が定番でした。

しかしテレキャスターではボディとネックを4本のネジで固定する方式(デタッチャブルネック)を採用。

ボディとネックを分けることでそれぞれを別の生産ラインで生産することができ、仮にネックが折れてしまっても簡単に交換することができるようになりました。

テレキャスターに限らずフェンダー社のギターのほとんどはこのネックジョイント方式を採用しています。

3.一体化されたコントロール・ブリッジ周り

レスポールなどのギターはボディ背面からくり抜いてパーツを取り付ける方式でしたが、テレキャスターはボリューム/トーンノブ、ピックアップセレクターなどのコントロール系のスイッチとリヤピックアップ、ブリッジ、テールピースのブリッジ周りの部品をそれぞれまとめて鉄の板に取り付け、ボディに固定する設計となっています。

あらかじめ部品を作っておけば簡単に組み立てができるため、生産性の向上に大きく寄与した設計であると言えます。

また、弦を裏から通す構造としたことでレスポールのようなテールピースを取り付ける必要もなく、弦の鳴りを確実にボディへと伝達できる構造となっています。

 

テレキャスターのサウンド

テレキャスターはソリッドボディや裏通しの弦、シングルコイルピックアップなどが相まって、アタックの強いジャキッとした音が特徴です。

この特性からバッキングやカッティングなどが得意なギターで、ギターボーカルにはもってこいのギター。

シングルコイルゆえノイズはやや出やすく、クリーン〜クランチで使うことの多いギターです。

 

テレキャスターの由来

「テレキャス」や「テレ」なんて略されることもあるテレキャスターですが、その名前は発売当時革新的な技術の代名詞であった「テレビジョン(テレビ放送)」が由来と言われています。

ちなみに前身の名前であるブロードキャスターも同じくテレビ放送を意味する「ブロードキャスト」からとられています。

 

いろいろなテレキャスター

テレキャスター・シンライン

テレキャスター・シンラインは1968年に発売された中空ボディを採用したテレキャスターです。

シェイプ自体は通常のテレキャスターと同一ですが、ボディの左半分が中空になっており、Fホールが空いているのが特徴。

テレキャスターが本来持っている鋭さに中空ボディが生み出す温かさが加わって独特なトーンを生み出します。

設計者であるレオ・フェンダー氏は軽量化を狙って中空ボディとしたものの、結果的には軽さよりも独特なサウンドから人気を博したギターです。

テレキャスター・カスタム

1972年から製造されているテレキャスター・カスタムはテレキャスターの上位モデルとして登場しました。

テレキャスターの弱点とも言われていたフロントピックアップの出力不足が解消するためフロントにハムバッカーを搭載し、ノブを2ボリューム/2トーン化、セレクタースイッチの移設など、ギブソン レスポールを意識した仕様となっています。

サウンド的にもコントロール的にもより扱いやすくなったテレキャスターと言えます。

 

 

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