縁の下の力持ち!? 〜ポジションマークのヒミツ〜

ギター

ギターを弾く上で重要な役割を担っているのが、指板やネックの側面に配置されたポジションマークです。

ギターやベースを弾く際になくてはならないものですが、「何でできているのか」とか「なぜあの位置についているのか」など意外と謎が多い存在だったりします。

今回はないと困るけど地味な(?)存在、ポジションマークについて深掘りしていきます。

 

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ポジションマークの位置と役割

基本的にポジションマークは3フレット、5フレット、7フレット、9フレット、12フレット、15フレット、17フレット、19フレット、21フレット、24フレットについています。(ギターにもよって異なる場合もあります)

指板上だけでなく、ネックの6弦側の側面にもついていますよね。

12フレットや24フレットは開放弦からちょうど1オクターブまたは2オクターブ高い音となっているため、他のポジションマークとは異なるデザインの場合が多いです。

 

ポジションマークの役割は主に「視認性の向上」と「デザイン性の向上」の2つ。

まず「視認性の向上」についてですが、ポジションマークがないとフレットの位置を瞬時に把握できなかったり、大きなフレット移動がある際に目的のフレットへのスムーズな移動ができなかったりと演奏ミスに直結してしまいます。

このためフレット位置を示すポジションマークは非常に大切であることがわかります。

また、意識して見ることはあまりないですが、ポジションマークにはギターやベース全体のデザインを引き締める役割もあります。これが2つ目の「デザイン性の向上」です。

ドット型やスクエア型が一般的ですが、高級なギターになるとまるで工芸品のような美しいポジションマークがかたどられていることもあります。

 

なぜポジションマークはあの位置なのか?

ポジションマークのついている位置は先述の通りですが、なぜどのギターやベースもこの位置についているのでしょうか。

 

実はなぜポジションマークがあの位置についているのかと言った明確な理由はわかっていません。

そこで今回はいくつかある説の中でも有力なものを紹介します。

1.弦の長さを等分した位置についている説

ギターのナットからブリッジのコマまでの距離を1としたときの2分の1、3分の1、4分の1、にあたるところからポジションマークをつけたのではないか、という説です。

上の画像を見ると、ナットからブリッジまでの距離を1としたときにちょうど半分(1/2)の長さになるのが12フレット、1/3が7フレット、1/4の位置が5フレット、というのがわかります。ちょうどポジションマークが打たれているフレットですね。

5フレットと7フレットを基準として1フレットおきに他のフレットにもマークを打っていった、ということです。

12フレット以降はオクターブ上となるので12フレットを0フレット(開放弦の音)と換算し、15フレット、17フレット...と言った具合で打たれています。

2.ただ単に奇数フレットにつけた説

単純に1フレットから1個飛ばしで3、5、7、9...といった感じで付けただけ、と言う説です。

ネックを眺めてみると、ほとんどのポジションマークは奇数フレットについていることがわかります。(12フレットや24フレットは先述の理由により例外的に偶数フレットについていますが)

1フレットにポジションマークがついていないのはナットのすぐ横であり、フレット位置が瞬時にわかるため付いていないことがほとんどです。

 

ポジションマークの材質

ギター本体が様々な木材が使われているように、ポジションマークも様々な材質が使われています。

プラスチック

一口にプラスチック、と言ってもいろいろありますが、ポジションマーク材としてよく使われるのがセルロイドです。ピックなどにも使われていることでお馴染みの素材ですね。

物によってはパールっぽく見せるために模様が入っていることもあります。

パール

貝から採れる宝石の一種。ネックレスやピアスなどにも使われていますよね。

高級ギターでは一般的な素材で、決して派手ではありませんが気品があるため人気の素材です。

アバロン

アバロン貝(ホタテ)から採れる宝石の一種。

青や赤、緑など様々な色が混ざった虹色の輝きを放っており、ポジションマークに使われる素材の中ではかなり派手な色味が特徴です。

LED

発光ダイオードをポジションマーク部に埋め込んだギターやベースも存在します。

電源が必要となったり、重くなったりといったデメリットはありますが、ステージ映えは抜群。

 

ポジションマークの交換は可能?

結論から言うと「可能」です。

しかしポジションマークは指板に空いた穴にはめ込まれ、接着されているので個人で交換するには難易度の高い作業になります。

このため工房に依頼するのが賢明ですが、ポジションマークを外して、接着剤を剥いで、新しいポジションマークを取り付けて滑らかになるように加工して...と言ったように時間も手間もかかる作業となります。

このため工賃は高めで、形状にもよりますがおおよそ2万円以上かかります。

お金も時間もかかる作業ではありますが、オリジナリティを出したい場合は検討してみてもいいかもしれませんね。

 

ポジションマークの材質や形状で音は変わる?

ポジションマークには様々な形状や材質がありますが、やはり気になるのが出音への影響です。

小さめのポジションマークだとそれほど気になりませんが、レスポールのようにマークの面積が大きめだとなんだか出音へ影響が出そうですよね。

しかし、ポジションマークが出音へ与える影響はほとんどありません。

もちろん厳密にいえば微妙にサウンドを変化させてはいますが、ギターやベースのサウンドを決定づけているのはボディ材やピックアップなどであり、ポジションマークの形状や材質が変わったところで大した変化はありません。

また、ポジションマークのみが違うギターはほぼ販売されていませんので比べようにも比べられません。

 

「このギターはポジションマークが大きめだから音が悪い」とか「ポジションマークがない(小さい)から音がいい」なんてことはないので、気にせず好きなギターやベースを選びましょう。

 

まとめ

  • ポジションマークは3フレット、5フレット、7フレット、9フレット、12フレット、15フレット、17フレット、19フレット、21フレット、24フレットについている
  • フレットの視認性とデザイン性を高める役割を持つ
  • なぜポジションマークがあの位置についているかの正確な理由は不明だが、「弦の長さを等分した位置についている」、「奇数フレットにつけた」などの説が有力
  • プラスチックや貝などで作られている
  • 材質や形状の違いによる音への影響はほとんどない

 

演奏する際にポジションマークについて考えることはあまりないかと思いますが、知っていくと意外と奥が深いものですね。

ギターやベースを選ぶ際にはポジションマークにも目を向けてみても面白いかもしれません。

 

 

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