
歪みを足したり、ある特定の帯域を持ち上げたりと様々な使い方ができるブースター。
実はファズと並んで最も歴史の長いギター用エフェクターなんです。
今回はそんなブースターの特徴や歴史を紹介していきます。
ブースターの種類と使い方
基本的にブースターは以下の2つが主な役割です。
- 歪みを足す
- 音量を上げる
アンプの設定はそのままに、サビで歪みを足したいときやギターソロで音量を上げたい時に使用します。イコライザー的な使い方をしたり、バッファーのように使用する場合もあります。
オーバードライブなどのように単体で歪みを得るような使い方はほぼしません。
また、チューブスクリーマーやBD-2などのオーバードライブをブースターがわりに使用することも多いです。
1.トレブルブースター
トレブル(高域)を強調する特性を持つブースターです。
electro-harmonix Soul Food や One Control Little Green Emphaser などがこれにあたります。
サウンドにキラキラ感を持たせたい場合や、ただ単純にブーストしただけではローやミドルが出すぎてしまう場合に有効です。
2.ミドルブースター
ミドル(中域)を持ち上げるブースターです。
製品でいうと Suhr Koko Boost や One Control Purple Humper など。
中域を持ち上げることで音が太くなり、耳障りなキンキンした音をまろやかにしてくれます。
3.クリーンブースター
ここ10年で急激に勢力を拡大しているブースターです。
その名の通りクリーンさが特徴で、Xotic RC Booster や MXR Micro amp などがクリーンブースターとして有名です。
どの帯域も持ち上げず、原音をそのままボリュームアップしたり、サウンドそのものを太くしたりする効果があります。
バッファーとしても使われることの多いブースターです。
ブースターの歴史
1960年代に主流だったMarshallやVOXのアンプは、ハムバッカーと組み合わせて使用するとローが強く出過ぎて曇ったようなサウンドになっていまいがちでした。
その問題を解決すべく、1960年代半ばにDallas Rangemaster や Hornby Skewes Treble Boosterなどのトレブルブースターが発売されました。
当時は現代のようなペダル型ではなく、アンプの上に置けるような箱型をしていました。
このトレブルブースター、ブライアン・メイ氏やトニー・アイオミ氏などに使用され、そこそこ人気のエフェクターになったものの、1970年代になるとアンプ自体にトレブルブースト機能が付くようになり、トレブルブースターは下火となってしまいます。
しかし1980年前後になると、ibanez TS9やBOSS OD-1などのオーバードライブペダルをブースターとして使用するのがメジャーになり始め、再びブースターは脚光を浴びることになります。
2000年代になるとXotic RC Boosterをはじめとする「クリーンブースター」が登場、ブースターは多くのギタリストにとって無くてはならないエフェクターになりました。
おすすめブースター
Xotic / EP Booster
エコープレックスのプリアンプ部を再現したペダルです。
見た目はつまみ1つのみというシンプルな構成ですが、裏蓋を開けたところにスイッチが組み込まれているため、見た目以上に多様な音作りが可能となっています。
繋ぐだけで音にハリと艶が出ると評判で、バッファーとして常時ONでも使用できるブースターです。
electro-harmonix / Soul Food
名機ケンタウロスのクローンペダルです。
ケンタウロスと比べややハイの効いたトーンとなりますが、太く抜ける音へとブーストしてくれます。
ケンタウロス系ペダルは高価なものが多い中、Soul Foodは1万円ほどと安さも魅力の1つです。
MXR / M133 Microamp
こちらもGAINつまみ1つだけのシンプルなペダルです。
中域がやや持ち上がるのが特徴で、音に厚みを加えられるブースターです。
BASSとTREBLEつまみがついた兄弟機、Microamp+も販売されています。
まとめ
まとめると、ブースターには以下のような特徴があります。
- 音量アップや歪み量のアップ、バッファ等によく用いられる
- こもりがちな高域を補う目的で1960年代に誕生
- オーバドライブをブースターとして使用することも多い
- トレブルブースター、ミドルブースター、クリーンブースターなどがある
近年ではクリーンブースターの台頭もあり、ブースターはアイデア次第で様々な使い方ができるエフェクターです。
購入の際は試奏をしたり動画を確認したりして自分に合ったお気に入りのブースターを選びましょう。