エフェクター徹底解剖 〜フランジャー編〜

エフェクターモジュレーション系
フランジャー 特徴

独特なうねりを生み出すエフェクター、フランジャー。

使いどころが限られるフランジャーですが、使いこなすことができれば強力な武器になること間違いなしのエフェクターです。

今回はそんなフランジャーの歴史や特徴について紹介していきます。

 

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フランジャーのサウンド

早速フランジャーのサウンドを聴いてみましょう。

金属的なうねりが加わっていることがわかります。飛行機の音とも称されますね。

フランジャーはかけっぱなしで使用することはあまりなく、ギターソロなどここぞというときにかける飛び道具的な使い方が多いエフェクターです。

 

フェイザーとの違いは?

フランジャーとよく似たエフェクトとしてフェイザーがあります。

「うねりを加える」という特徴は似ていますが、この2つの違いとして

  • フランジャーは音を遅延させて得る効果
  • フェイザーは位相(音の波)をずらして得る効果

といった違いがあります。

サウンド的にはフランジャーの方が金属的でシュワシュワ感が強いのでソロ等に、フェイザーはシュワシュワ感が弱めなのでバッキング等に使用されるイメージです。

 

フランジャーのコントロールは以下の通り。

  • DEPTH:ゆれの深さ
  • RATE (SPEED):ゆれの速さ
  • MANUAL (TIME):シュワシュワ音の高さ
  • MIX:原音とエフェクト音の配合比率

製品によって違いはありますが、だいたいこんな感じです。

 

フランジャーの仕組み

フランジャーはコーラスと同じ仕組みです。

まずエフェクター内に入ってきた原音を2つに分け、片方の音はそのまま出力、もう片方の音はほんの少しだけ遅らせて出力します。 すると2つの音の間にズレが生じてフランジャー独特の金属的でシュワシュワ感のある音が生まれる、といった具合です。

 

ちなみにコーラスとの違いは「音のずらし具合」と「遅延させた音の繰り返し回数」の2つ。

そのため多機能なフランジャーやコーラスは設定次第でフェイザー/コーラスの両方の音を出すことも可能です。

 

フランジャーの歴史

フランジャーは2つのレコーダーを用いて同じ歌や演奏を重ねて厚みを出すADTという手法から生み出されたエフェクトです。2つのレコーダーのうち1つのレコーダーのテープを指などで押さえることで遅延を発生させ、フランジャーの効果が生まれたと言われています。

レス・ポール氏が1952年に発表した「Mummy's Boogie」にて初めて使用されました。

レス・ポール氏が効果を得ていた頃には「フランジャー」なんて名前はありませんでしたが、ビートルズのジョン・レノン氏が1960年代に「フランジング」と名付けたことで、だんだんとその呼び名が浸透していきました。

初のフランジャーペダルは1974年にMXRから発売されたM117R Flanger。

ヴァン・ヘイレン氏などの使用によりエフェクターの1ジャンルとして認知されるようになっていきました。

 

フランジャーの種類

アナログフランジャー

ディレイやコーラスにも用いられるBBD素子(音を遅延させる部品)を使用したフランジャーをアナログフランジャーと呼びます。

アナログフランジャーの特徴は以下の通り。

  • マイルドで温かみのあるサウンド
  • 価格は高め
  • 細かな設定は不可

BBD素子はデジタルの部品と比べて出力に若干のばらつきがありますが、そのばらつきがアナログ特有の暖かさを演出しています。

 

デジタルフランジャー

入力をデータ化し、フランジャーの音を作り出すペダルのことをデジタルフランジャーと呼びます。

デジタルフランジャーの特徴は以下の通りです。

  • クリアで高音質(冷たく無機質なサウンド)
  • 比較的安価
  • 細かい設定が可能

デジタルは正確にエフェクト音を出力できるのでクリアなサウンドとなりますが、正確すぎるあまり冷たく無機質なサウンドになってしまう傾向にあります。

 

おすすめフランジャー

MXR / M117R Flanger

元祖フランジャーであるM117R。ヴァン・ヘイレン氏の使用でも有名なフランジャー。

つまみの可変域が広いのでフランジャーとしてもコーラスとしても使えるペダルです。

ヴァン・ヘイレン氏の名を冠したモデルも存在します。

 

BOSS / BF-3

おなじみBOSSのフランジャーです。

4つのモードを搭載し、デジタルならではのクリアでレンジの広いサウンドを楽しむことができます。

フランジャーに迷ったらこれ。

 

TC ELECTRONIC / Vortex Flanger

一見普通のフランジャーですが、「Tone Print」と呼ばれるスマホやPCなどで細かなパラメータを調整できるハイテクフランジャーです。

エフェクトをオンにしたときに若干音量が上がるようなので検討する際には頭に入れておきましょう。

 

まとめ

フランジャーの特徴をまとめると、以下のようになります。

  • 金属的なうねりを加えるエフェクター
  • 音の遅延によって効果が発生する
  • 1950年代にレス・ポール氏が使用したのが始まり
  • アナログはマイルドで温かみのあるサウンド
  • デジタルはクリアで多機能

 

フランジャーは使いどころが限られるエフェクターなので、あまりボードに入れている方は見かけませんが、逆に言えば他とは一味違うサウンドにすることのできるエフェクターとも言えます。

購入する際は試奏や動画で音を確認し、自分にあったフランジャーを選びましょう。

 

 

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