エフェクター徹底解剖 〜リバーブ編〜

エフェクター空間系
photo credit: GuitarChalk Strymon BigSky Reverb Pedal via photopin (license)

 

リバーブは音の反射による響きである「残響」を再現したエフェクトです。

残響というのは部屋や風呂場など、どこにでも存在するので日常生活の中で最も身近にあるエフェクトとも言えますね。

アンプについていることの多いリバーブですが、ペダルタイプのものも捨てがたい魅力があります。

今回はそんなリバーブの種類や歴史について紹介していきます。

 

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リバーブのサウンド

正式には「リバーブレーター」と呼びます。

先述の通りリバーブは広いホールや部屋での残響音を再現したエフェクトです。

文章で音を説明するのは難しいので、動画でそのサウンドを聴いてみましょう。

残響音が加わることによって音に広がりが生まれています。

ギターの原音のみではサッパリしすぎてしまう場合によく使用します。

 

リバーブのつまみは以下の通りです。

  • REVERB:リバーブのかかりの強さ
  • PRE-DELAY:残響音が聞こえ始めるまでの時間
  • TIME (DECAY):残響音が消えるまでの時間
  • LEVEL:音量
  • MIX:原音とリバーブ音の配合比率

製品によってはもっとつまみが多いものもありますがだいたいこんな感じです。

 

リバーブの音作りをする際の一番の注意点として、「強くかけすぎない」ということが挙げられます。

音を出しながら色々とつまみをいじっていると、だんだん耳がリバーブのかかったサウンドに慣れていまい必要以上にリバーブをかけてしまう、といった事態に陥りやすいです。

リバーブをかけすぎてしまうと音の輪郭がぼんやりしてしまい、聞き取りにくい音となってしまいます。

「これくらいかな?」と思った値から20〜40%くらい絞った値くらいがちょうどいい目安ですので参考にしてください。

 

リバーブの歴史

リバーブはもともと自然界に存在する現象。

初めてその現象をコントロールしたのが、1930年代に登場した「エコー・チェンバー」です。

エコー・チェンバーは「部屋」です。部屋の中に音源とマイク、さらに反響板を置くことでリバーブのかかりをコントロールしていたといいます。

部屋にはいくつかバリエーションがあり、壁がコンクリートでできた部屋、タイル張りでできた部屋など、好みのリバーブのかかる部屋を選択して使用していたようです。

 

その後1950年代後半にプレートリバーブ、スプリングリバーブが登場し、「リバーブ」というエフェクトがだんだんと身近になっていきます。

1963年にはFenderよりスプリングリバーブ搭載のアンプ「バイブロバーブ」が発売、ギター界にもリバーブの波がやってきました。

1972年には初のデジタルリバーブ、EMT 144(ラック式)が発売されました。

初期のデジタルリバーブはまだ発展途上で、使い物にならない製品ばかりであったそうですが、技術の進歩に伴い、年々「使えるエフェクト」として進化を遂げていきました。

その後ペダルタイプのリバーブも発売され、現在ではなくてはならないエフェクトのひとつとなっています。

 

リバーブの種類

スプリングリバーブ

最もスタンダードなリバーブで、ギターアンプにもよく搭載されています。

スプリングの振動を利用したリバーブで、数本のスプリングが平行に張られた構造になっています。スプリングの片側から音源を流し、もう片側にセットされたマイク(ピックアップ)で音を拾うことでリバーブを得るといった仕組みです。

振動に弱いというデメリットはありますが、リバーブタイムは長めで金属的なサウンドが特徴です。

 

プレートリバーブ

4畳ほどの大きさの薄い鉄板を使ったリバーブです。

スプリングリバーブ同様鉄板の片側に音源を、もう片側にマイク(ピックアップ)を配置してリバーブを得るといった仕組み。

スプリングリバーブと比べて音の立ち上がりが早いのが特徴で、やや低域が強めながらクセの少ないサウンドが特徴。

 

ルームリバーブ

部屋などの比較的狭い空間の残響を再現したリバーブです。

リバーブタイムは短めで、比較的サッパリしたかかりが特徴です。

 

ホールリバーブ

その名の通りコンサートホールなどの広い空間での反響をシュミレートしたリバーブです。

リバーブタイムが長めなので効果は強めです。

 

シマーリバーブ

2010年に登場したStrymon blueSkyに搭載されているリバーブで、これまでのリバーブにはない効果を持っています。

原音の1オクターブ上の倍音を次々に追加していくことにより、幻想的できらびやかな効果を得られるリバーブです。

 

コンボリューションリバーブ

ある場所の音の響き方をサンプリングし、どのように反響するかをシュミレートして出力するリバーブです。

場所ごとの反響特性(リバーブのかかり方)をシュミレートするため、サンプリングさえできれば「日本武道館のリバーブ」や「バケツの中で音を出したときのリバーブ」なども再現できる、非常に自由度の高いリバーブです。

 

おすすめリバーブペダル

TC ELECTRONIC / Hall of Fame 2 Reverb

10種類ものリバーブを備えたペダルです。

さらにスマホやPCと連携させることで細かなパラメーター調整も可能となっており、多機能なリバーブが欲しい方におすすめです。

 

Strymon / blue Sky

シマーリバーブの元祖blue Sky。

シマーリバーブが注目されがちですが、他のリバーブもかなりのクオリティです。

とにかくクリアで高音質なリバーブが欲しい方におすすめのペダル。

 

One Control / Prussian Blue Reverb

分類的にはホールリバーブとなるペダルなんですが、ホールリバーブらしからぬナチュラルさがこのペダルの特徴です。

いい意味で主張が弱いのでかけっぱなしでの使用がおすすめです。

 

まとめ

リバーブについてまとめると、以下のような感じに。

  • 反響音を加えるエフェクター
  • 1930年代に誕生
  • かけすぎると音の輪郭がぼやけてしまう
  • 時代の流れとともに多種多様なリバーブが登場

 

一見地味な存在とも思えるリバーブですが、種類が豊富で奥の深いエフェクターです。

導入する際にはしっかりと聴き比べを行い、自分にあったリバーブを選びましょう。

 

 

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