
「ドレミファソラシド」は誰もが知っている超有名な音を表す名前です。
一方でギターを始めとした音楽の世界では「ドレミ」ではなく「ABC」のアルファベットで音名を表すことも多くあります。
その場合、「ド」を「C」と当てはめていますが、、なぜ「ド=C」なのでしょうか。「ド=A」にした方がわかりやすそうですよね。
そこで今回はなぜ「ド=C」なのか、そこに至った歴史や背景を紹介していきたいと思います。
ドレミ表記とアルファベット表記
まずはドレミ表記とアルファベット表記のおさらいです。
先述の通りポピュラーミュージックでは、一般的な「ドレミファソラシド」だけではなく「ABCDEFG」のアルファベットで表記することも多いです。
「ドレミファソラシド」はイタリア語で、キリスト教の聖歌がその由来だそう。ちなみに日本語では「イロハニホヘト」が使われます。(ほぼ使われませんが...)
一部例外はありますが、アルファベット表記の場合は下図のように「ド=C」として音名を当てはめていきます。

イロハ表記の場合は「ハ=C」となり「ハニホヘトイロハ」といった並びとなります。
なぜ「ド」は「C」なのか
さて、本題です。
「ド」が「C」である理由、これには諸説ありますが「昔はラ(A)が基準となる音だったから」というのが有力な説のようです。
「音程」という概念が定められた当時の人々は当時の楽器(どんな楽器かは不明)の出せる最も低い音程を「A」と定義しました。
そこからしばらくの間、音程は「A」から表記していくのが一般的でしたが、時代の流れとともに「A」で始めるよりも「C」から始めるのが主流となっていきました。
「音程」というものが発明された当時は「ABCDEFG」で表されており、のちに考案されたドレミ表記に同じ音を当てはめた結果「ドレミファソラシド」の音が誕生したわけです。
もしも「A」から始まるのが一般的なままだったら「ラシドレミファソラ」になっていたかもしれませんね。
ちなみにその名残でオーケストラのチューニングも「A」を基準に行いますし、ギターのチューニングなどで使う音叉も「A」の音が出るようになっています。
まとめ
- 音程という概念が定められた当初はABC表記だった
- 当時の楽器出る最も低い音を「A」とし、アルファベット順に名前をつけていった
- 時代の流れとともに「A」基準よりも「C」基準のほうが一般的となった
- のちに誕生したドレミ表記をABC表記に当てはめると「ド」から始まる