ギター木材あれこれ【メイプル編】

ギター
ギター メイプル 特徴

Fender系のギターで使用されることの多いメイプル材。

ホットケーキなどにかけるシロップも「メイプルシロップ」なんて名前が付いているためギターに詳しくなくても一度は耳にしたことのある名前かと思います。

今回はギター材におけるメイプルの種類や特徴を紹介していきます。

 

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そもそもメイプルとは?

メイプルは日本では「カエデ」と呼ばれています。「もみじ」とも言いますね。秋になると紅葉する木です。

メイプルは葉っぱだけでなく杢目(もくめ)の美しいことから楽器以外にも机や高級車の内装など幅広い分野で使用されている木材です。

 

メイプルはアジア圏に多く自生しており、ヨーロッパや北米などにも生えています。ちなみにカナダの国旗に描かれている葉っぱもメイプルだそう。

ギターに使用されるメイプルは北米やヨーロッパ産のものが多く使用されており、日本をはじめとしたアジア圏で採れたメイプルはあまり使用されていません。ギターメーカーが北米やヨーロッパに多いからでしょうか。

 

 

メイプルの種類

ハードメイプル

硬いメイプルのこと。そのまんまです。ものによっては「ハードロックメイプル」や「ロックメイプル」なんて名前がつく場合もあります。

ボディ材や指板材としてはもちろんのこと、強度が求められるネックはハードメイプルが使われていることが多いです。

 

ソフトメイプル

柔らかいメイプルです。柔らかいといっても明確な基準はなく、ハードメイプルと比べて柔らかいメイプルのことを指します。

ハードと比べると柔らかいため加工しやすいのがメリットですが、柔らかいが故に狂いが出やすいというデメリットもあります。

重量はハードメイプルよりも軽めなのでボディ材で使われることが多いメイプルです。

 

ローステッドメイプル

なんだか美味しそうな名前ですね。

ロースト(焼く)といっても実際に火を通すわけではなく、高温状態で一定時間寝かせることによって性質を変化させる加工をするのみです。

長期間高温にさらすことによってメイプルの弱点である狂いやすさが軽減され、板の中の水分や油分が蒸発することによってさらに硬さが増した材となります。

 

メイプルの特徴

メイプルはボディ、ネック、指板とギターにほぼ全ての部位に使用される木材です。

かなりの硬さを持つメイプルはギター本来の「鳴り」を殺しにくいため、アタック感が強く伸びのあるサスティーンを得られるのが特徴です。

また高域が強めに出る傾向があるのでジャキジャキしたFender系のサウンドとなります。

ただあまりにも硬いため加工が難しく、狂いも出やすいため加工コストは高くなる傾向にあります。

ボディ材としてのメイプル

メイプルは他の木材と比べてかなり重量があるためボディ全体がメイプルで製作されることはあまりなく、レスポールなどのようにトップ材として使用したり、アコギやフルアコのような中空ボディのギターに使用されることが多いです。

杢目にはレスポールでおなじみのフレイムやキルトなど、さまざまな名前が付いており、美しい杢目が出ているギターは高値で取引されています。

 

ネック材としてのメイプル

ストラトなどのFender系ギターで採用されていることの多いメイプルネック。

先述した通りネック材はボディ材よりも高い強度が求められるため、もっぱらハードメイプルが使用されます。

ネックはボディと比べ杢目について語られることはあまり多くありませんが、ネックにもバーズアイやトラ杢などが出ているものは高値で取引されている印象です。

たまにネック裏に下の写真のような茶色い線が入っているギターやベースが存在しますが、これはトラスロッドを仕込むために開けていた穴(溝)を塞いだ跡で、「スカンクストライプ」と呼ばれています。

スカンクストライプ

 

メイプル指板

こちらもFender系のギターに多く採用されているメイプル製の指板。ネックと指板が一体となった1P(ピース)タイプとネックと指板を貼り合わせた2Pタイプとがあります。

メイプル材は明るい色しているので長年使い続けていると手垢が目立ちやすくなってしまいます。(これをデメリットと取るかどうかは人によりますが)

先述の通りメイプルは比較的硬く加工が難しい材料であるため、ローズウッド指板などと比べてフレット交換の費用が高くなる傾向にあります。

 

まとめ

  • メイプルは日本でおなじみの「カエデ」のこと
  • 美しい木目が出ることが多い
  • 硬く、重い
  • ハードメイプル、ソフトメイプル、ローステッドメイプルなどがある
  • アタック感が強く、ジャキジャキしたFender系のサウンド

ギターに使用される木材の中ではメジャーなメイプルですが、多く使われるのにはそれなりの理由があるんですね。

ギター選びの際に「材料」と言う観点から選んでみても面白いかもしれませんね。

 

 

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