スタンダートやスペシャルって何が違うの? 〜グレード徹底解剖(Gibson編)〜

ギターギブソン

レスポールやSGなどでお馴染みのGibsonですが、そのギターのモデル名(Les Paul、SG等)の後には大体「スタンダード」とか「スペシャル」みたいに名前が付いています。

これはそれぞれのモデルのグレードを表す言葉たちなんですが、名前だけでイメージが湧くものもあればそうでないのもあります。

 

そこで今回はGibson製ギターのモデル名の後についているグレード名について解説していきます。

 

Fender編はこちら↓

【2020年最新版】グレード徹底解剖(Fender編)

 

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Standard

スタンダードはその名の通り標準グレードを指す名称です。

近年のStandardシリーズはロック式ペグやコイルタップ機能が備わっており、時代のニーズに合わせたモダンなグレードとなっています。

 

Custom

カスタムは1964年にレスポールスタンダードの上位機種として初めてその名が冠されました。

いわば最高級グレードです。

ダイヤモンドインレイや各パーツへのゴールドメッキの採用により、スタンダードと比べて豪華な見た目となっています。モデルにもよりますが3ピックアップになっていたりするものもあります。

2004年以降のCustomはGibson Custom Shopで製造されています。

 

Special

「スペシャル」という言葉を聞くと、高価だったり限定品だったりをイメージしてしまいますが、GibsonにおけるSpecialはStandardの下に位置づけられるグレードです。

コストダウンのためStandardに比べてバインディングやヘッドの装飾が簡素化されています。また、年代やモデルによってはピックアップのカバーを廃したオープンハムバッカーが採用されていたり、P-90ピックアップがマウントされていたりする場合もあります。

 

Studio

Standardの装飾を簡素化し、低価格化を実現したのがStudioです。

装飾の簡素化という点ではSpecialと似ていますが、立ち位置的にはSpecialの下になります。

使用している木材や内部の回路はStandardやSpecialとほぼ同一なので、高いコストパフォーマンスが魅力のモデルです。

Studioの塗装を簡素化したモデルにFadedと呼ばれるものもあります。こちらは安い価格が魅力ですが、塗装が弱く剥がれやすいため取り扱いには少々注意が必要です。

 

Traditional(LesPaulのみ)

Standardが大幅に改良された2008年に登場。

先述の通り時代のニーズに合わせて年々アップデートを重ねているStandardシリーズに対してTraditoionalは古き良き伝統的なレスポール、といった感じです。

ノンウエイトリリーフ(ボディの肉抜きなし)にオレンジドロップを用いたハンドワイヤード回路など、長年親しまれてきた仕様になっています。

 

Junior

1954年に登場したジュニアはP-90ピックアップ1発のシンプルな回路に1ピースのフラットトップボディ、バーブリッジの採用など徹底的にコストダウンを意識したモデルです。いわゆるスチューデント(初心者向け)モデルと呼ばれるグレードです。

スチューデントモデルとは言えその見た目と独特なサウンドにより世界中のミュージシャンに愛用されています。

 

Deluxe

Deluxeと名が冠されたモデルはレスポールとSGがありますが、それぞれ異なった特徴を持っていますので分けて紹介していきます。

 

まずはLes Paul Dluxeですが、ミニハムバッカーが搭載されているのが大きな特徴。そのほかにも登場初期である1970年代に製造された個体は木材の枯渇によりボディやネックが多層構造になっている(パンケーキ構造)のも特徴のひとつです。

 

SG Deluxeは1968年に製造を終えたSG Standardのリイシューモデルとして1970年代初頭に発表されたモデルで、レスポールと同一形状のピックガードやBigsbyのビブラートユニットが搭載されていました。その他はSG Standardとほとんど同じです。

さらに時を経て2013年に再びSG Deluxeの名が冠されたモデルがGibsonから発売されました。しかしそれはド派手なオレンジやグリーンなどのカラーラインナップにフィギュアドメイプルトップや3ピックアップの採用など、1970年代のDeluxeとは全く異なる仕様での復活となりました。(ちなみにBigsbyのビブラートユニットは踏襲されています)

 

Classic

1990年にレスポールの1モデルとしてデビューしたのがこのクラシックです。

Les Paul ClassicはStandardと比べてスリムなネックを採用していたり、オープンタイプのゼブラピックアップを採用していたりとClassicとは名ばかりのハードロックやメタル向けのギター。

2018年モデルだけはなぜかP-90がマウントされています。

SG Classicは一時期限定モデルとして販売されていましたが、こちらはSG StandardピックアップをP-90へ変更したものでした。

 

Recording(LesPaulのみ)

1971年に発売されたモデルです。2019年現在レギュラーラインにはありません。

レス・ポール氏自ら開発したピックアップやフェイズアウトスイッチ、多彩なトーンを切り替えられるバリトン・スイッチなど、レス・ポール氏こだわりの機能が詰まったモデルです。

レス・ポール氏が愛用していたのはもっぱらこのモデルでした。

 

High Perfomance(HP)

2016年に登場したハイパフォーマンスシリーズ。

弦を自動でチューニングしてくれるG-Forceやハイポジションを演奏しやすいよう加工されたFast Access Heel、多数の機能を備えたディップスイッチ付きの回路など、Gibson自慢のテクノロジーが凝縮されたハイテクギターです。

 

Tribute

ボディやネックの装飾を廃し、トップ材にプレーントップを採用することで価格を抑えたモデルです。ネックがメイプル製であることもこのモデルの特徴です。

何気にJuniorよりも安く、Gibson現行モデルの中では最も安く購入できます。

 

Modern

2019年に登場したModernシリーズは、基板を用いた回路やHigh Perfoemanceシリーズのようなネックヒール加工、コンパウンドラジアス形状のエボニー指板の採用など、StandardとHigh Performanceの中間の機能を持ったグレードです。

 

まとめ

現在は販売されていないモデルもありますので一概には言えませんが、価格順に並べると

Custom>High Performance>Recording>Modern>Standard>Traditional>Deluxe>Classic>Special>Studio>Junior>Tibute

という風になるでしょうか。

高いから音が良いとか安いからダメみたいなことはなくて、それぞれに個性を持ったギターばかりですので、自分の好みにあったモデルのギターを探してみましょう。

今回紹介したグレード以外にも、わずかな期間にしか製造されなかったようなレアなグレードもあるかと思いますので探してみると面白いかもしれませんね。

 

グレード解説(Fender編)はこちら↓

【2020年最新版】グレード徹底解剖(Fender編)

 

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