なぜCコードは「ド・ミ・ソ」なのか?

音楽理論

ギターを始めると真っ先に覚えるであろうコードが「Cメジャコード」だと思います。

Cメジャーコード の構成音は「ド」「ミ」「ソ」の3つ。これら3つの音は一体どこからやってきたのでしょうか。

今回は身近にあるけれど正体不明な(?)Cメジャーコード の構成音の謎について迫っていきます。

 

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Cコードの構成音

以下の図はCメジャーのコード。ドレミファソラシドでいうと「ド」の音のコードとなります。

ギター Cコード

Cのコードはギターを弾く上で基本中の基本となる存在ですが、ほとんどのギタリストはコードを手のフォームで覚えているため、それぞれの弦がどの音程で鳴っているのか知らない方がほとんどかと思います。

 

そこでCのコードを押さえたときにそれぞれの弦でどの音程が出ているのかを以下の図に示してみました。

ギター Cコード 音程

こうして見るとCコードは「ド」と「ミ」と「ソ」、3つの音で構成されているのがわかります。

コードの中で最も低い音のことを「ルート音」と呼びます。

一部例外はありますが、Cコードであればルート音はC(ド)ですし、Fコードであればルート音はF(ファ)になります。

 

Cコードはなぜ「ド」「ミ」「ソ」?

いよいよ本題に入りましょう。

ルート音である「ド」はコードの中に入ってしかるべき音ですが、それ以外の音、「ミ」と「ソ」はどこから現れたのでしょうか。

 

この疑問を解決するキーワードはズバリ、「倍音(ハーモニクス)」です。

Wikipediaでは、倍音を以下のように説明しています。

倍音とは、原音の2以上の整数倍の周波数を持つ音の成分。

https://ja.wikipedia.org/wiki/倍音

正直これだけでは意味不明なので ギターを例に解説していきます。

 

ギターの奏法の中に「ナチュラルハーモニクス」と呼ばれる奏法があります。

ナチュラルハーモニクスはある特定のフレットの上を軽く押さえ、ピッキングと同時にその指を離すことで「ポーン」というような柔らかい音を出す奏法です。

このナチュラルハーモニクスが鳴るポイントは4フレットの少しナット寄りの場所、5フレット、7フレット、12フレット。

これはナットからブリッジまでの距離を「1」としたときに、長さが1/2、1/3、1/4、1/5となる位置にあります。

弦の長さが1/2になれば周波数は2倍に、1/3になれば周波数は3倍に... といった感じで、弦の長さと周波数は同一関係にあります。

この原音の2倍、3倍、4倍、5倍...の周波数の音が「倍音」と呼ばれるものです。

 

Cコードのルート音である「ド」の周波数の2倍は1オクターブ上の「ド」、3倍の周波数が「ソ」、4倍の周波数が2オクターブ上の「ド」、5倍の周波数が「ミ」となり、「ド」の倍音は「ミ」と「ソ」であることがわかります。

「ド」という音を細かく分析すると、「ド」の中には「ミ」と「ソ」の音もわずかに含まれている、とも言えます。

そんなわけでルート音である「ド」と、その倍音である「ミ」と「ソ」が鳴るような押さえ方が「Cコード」なのです。

 

ちなみに他のコードも同じように2倍、3倍、4倍の周波数の音(倍音)がコードの構成音として存在しています。(ルートに対して何度離れているかはコードによって異なります)

 

まとめ

  • Cコードは「ド」「ミ」「ソ」で構成されている
  • コードの音はルート音とルート音の1/2、1/3、1/4の周波数の音(倍音)で構成されている
  • 「ド(C)」の3倍と5倍の周波数の音が「ミ(E)」「ソ(G)」であるためCメジャーコード の構成は「ド・ミ・ソ」となる

  

ギタリストはコードは形(フォーム)で覚えていることがほとんどなので構成音について考えることはあまりないかと思いますが、きちんと理論に則った理由があることがわかりました。

もちろんこれはCメジャーコードに限ったことではなく、全てのメジャーコードに当てはまります。

 

 

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