基本的にアコギのストラップピンってブリッジ側にしかついておらず、ストラップを取り付ける際にはブリッジ側のストラップピン〜ナットのすぐ上の間で固定すると思います。
私のアコギもまさにその方式なんですが、それじゃあちょっとカッコ悪いので(主観です)、今回はちょっと改造してネックの付け根あたりにストラップピンを新設したいと思います。
ストラップピン取り付け位置を考える
ギターによってストラップピンの位置は色々ありますが、大きく分けて以下の4種類に分けられます。
1.ブリッジ側のみ
ストラップピンがおしり(ブリッジ側)にしか付いていないパターンです。多くのアコギがこのパターンだと思います。私のアコギもこれ。
先述しましたがストラップを取り付ける場合は片方をおしりのストラップピンに、もう片方は写真のようにヒモをナットの上あたりに巻き付けて固定します。
メリットとしては抱えたときのバランスがいいこと、ハイポジションが弾きやすいことなどが挙げられます。
見た目がカッコよくないと思う人がいるというのがデメリットですが、このあたりは好みの問題です。
2.ボディ側面
ストラトやレスポールなど、エレキギターに多い方式です。
エレキギターの場合はソリッドボディ(中が空洞でない)であることが多いので側面にもねじを取り付けることができますが、アコギは中が空洞かつボディの肉厚が薄いため、荷重がかかるとピンが外れたりボディが割れたりするおそれがあります。
以上のことからこの位置にストラップピンを設置するとハイポジションが弾きやすいことがメリットとして挙げられ、デメリットはボディが軽いが故にヘッド落ちが発生してしまうことなどが挙げられます。
3.ヒールキャップ部
続いてはネックの裏、ヒールキャップにストラップピンを設けるパターンです。微妙に位置は違いますがES-335もこの辺りにストラップピンが付いています。
メリットは見た目がスマートであること(何度も言いますが人によります)、デメリットはヘッド落ちすることです。
4.ネックヒール部
最後はネックヒールにストラップピンを設けるパターン。
最近のMartinやTakamineのギターにもこのピン位置が採用されています。
先述のネック裏と位置こそ似ていますが、ネックヒールに沿ってストラップを取り回せるので、ネックジョイント部にピンを立てたときよりもヘッド落ちしにくくなります。
メリットはヘッド落ちがしくいこと、デメリットはハイポジションが弾きにくいことが挙げられます。
以上4つのパターンを紹介しましたが、私的には最後に紹介したネックヒール部への取り付けがベストと感じたので今回はネックヒールへストラップピンを取り付けていきます。
いよいよ作業へ
ピンを取り付ける位置が決まったところで早速作業に取り掛かります。
今回改造の対象となってもらうのはこちらのギター。
私の愛機、YAMAHA FS730Sです。お値段は約3万円。
先述の通りストラップピンはおしりにしか付いていません。
今回用意したのは電動ドリル、Φ2mmくらいのドリルです。(電動ドリルがない場合はキリでも代用可能)
これを使って下穴をあけ、そこにストラップピン用のねじを締めます。
下穴をあけずにねじを締めていくとネックやボディが割れてしまうおそれがあるので下穴は必ずあけましょう。
1.穴位置をけがく
まずはけがきから。
穴をあけたい位置にマジックで目印となる点をけがきます。
あまり指板側へ寄せてしまうとトラスロッドにも穴を空けかねませんし、演奏性も悪くなりそうだったのでボディトップとバックの中心あたりにけがきを行いました。
2.穴あけ
けがきができたらいよいよドリルで穴を空けていきます。
このとき穴がボディ内部へ貫通してしまったら嫌なので、ネジの長さ+αくらいの深さで止められるようにドリルに目印となるテープを巻いておきます。
いよいよ緊張の穴あけです。いくら3万円のギターだからといって失敗したくないので慎重にやっていきます。
ネックヒールの面に対して垂直に穴をあけます。ネックヒールは曲面なのでちょっと難しいですが慎重にあけましょう。
ちょっとずれましたが無事穴があきました。
周りに少しささくれができてしまいましたが、ピンで隠れると思うので良しとしましょう。
3.ストラップピンの取り付け
あけた穴にストラップピンをねじで固定します。
ストラップピンは適当に余っていたものを使用しました。
本当はシャーラーのロックピンをつけたかったんですが、おしりのピンがどうしても抜けなかったので諦めました。
最後にストラップを付けて完成です!
気になる使用感ですが、心配していたヘッド落ちやハイポジションの演奏性はそれほど気になるレベルではありませんでした。
愛用のギターに穴を空けるのは少し勇気がいりますが、それほど難しくないのでおすすめの改造です!