エフェクター徹底解剖 〜コンプレッサー編〜

その他エフェクター
ギター コンプレッサー 特徴

音の粒を揃えたりアタック感を出したりする際に使われるエフェクター、コンプレッサー。

他のエフェクターと比べて地味な印象のあるコンプレッサーですが、使いこなせれば出音をワンランクアップさせることのできる便利なエフェクターです。

今回はそんなコンプレッサーの歴史や特徴について紹介していきます。

 

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コンプレッサーのサウンド

アタックが強くなり、サスティーンも伸びます。クリーントーンの存在感を強めたいときやカッティングの粒を揃えたいときなどに有効です。

 

コンプレッサーは音の粒を揃えてくれる便利なエフェクターですが、強くかけすぎてしまうとサウンドに抑揚が薄れて迫力のないサウンドになってしまうため注意が必要です。

また、練習の際にコンプレッサーを使いすぎてしまうとピッキングニュアンスに対する感覚が薄れてしまうので使用はほどほどにしましょう。

 

コンプレッサーの操作系は以下の通りです。

  • ATTACK:アタックの強さの調節
  • SUSTAIN (RATIO):コンプの深さの調節
  • LEVEL:ボリュームの調節
  • BREND:原音とコンプ音の配合比率の調節

レコーディングスタジオにあるようなラック式のコンプレッサーや、DTMに入っているコンプレッサーはもっとつまみが多くて細かいところまでいじれるんですが、ギター用のコンプレッサーはだいたいこんな感じです。

 

コンプレッサーの歴史

コンプレッサーは一定以上の音量を抑制する「リミッター」が起源であると言われています。

リミッターはラジオの急激な音量の変化を抑制するために1935年に初めて発売されました。

その後の1949年、より効きが自然なコンプレッサー(ラック式)が発売、世界中のラジオ局やレコーディングスタジオへ導入されていました。

 

ちなみにリミッターとコンプレッサー、違いがわかりにくいんですが一般的には

リミッターは大きすぎる音量を抑制するだけ

コンプレッサーは大きい音を圧縮し、小さい音を大きくする

といった違いがあります。

 

ペダルタイプのコンプレッサーの歴史は1974年に発売されたMXRのDyna Compの登場とともにスタートします。

ギター用のコンプレッサーが発売された背景として、トランジスタアンプの台頭があります。

トランジスタアンプは真空管アンプに比べてメンテナンスが楽だった一方で、コンプ感が少なく、サッパリしすぎたサウンドになってしまうといった欠点がありました。

そこでトランジスタアンプでも真空管アンプのようなコンプ感を出すためにコンプレッサーが必要だったというわけです。

 

コンプレッサーの種類

ダイナコンプ系(パコパコ系)

元祖ギター用コンプレッサー、MXR製のDyna Compを元ネタとしているコンプレッサーのことを指します。かかりの強さから「パコパコ系」ともいわれます。

ダイナコンプは強いアタックや太い音が特徴。味付けが濃いのでギターやアンプ本来のトーンは若干薄れます。

少々極端とも言えるかかりですが、根強いファンが多いコンプレッサーです。

 

ROSS系

「ROSS系」とはアメリカのエフェクターメーカーであるROSSが発売していたコンプレッサーを元ネタとしているペダルを指します。

ROSS製のコンプレッサーはダイナコンプを元に設計されたペダルであるものの、ダイナコンプと比べると原音を生かした自然なかかりのペダルだったそうです。

そういった理由から現在では「ROSS製コンプレッサーを意識した、原音を損なわない自然なかかりのコンプレッサー」のことを指す言葉となっています。

 

おすすめコンプレッサー

MXR / M102 Dynacomp

コンプレッサーの代名詞ともいえるペダルです。

MXR初期ラインナップから存在するロングセラーなコンプレッサーで、強いアタックと音の太さから、コンプかけてる感を強く感じられるペダルです。

 

MXR / CP-101

コンプかけてる感が強く出るダイナコンプに対して、こちらのCP-101はナチュラル(ROSS)系です。

あまりコンプかけてる感が出ないので、かけっぱなしで使用する場合にも有効です。

 

BOSS / CS-3

4つのつまみにより幅広い音作りが可能なコンプレッサーです。

TONEつまみもついているためブースター的な使用も可能なペダル。サウンドはどちらかというとナチュラル系です。

 

まとめ

コンプレッサーの特徴をまとめると以下のようになります。

  • ギター用のコンプレッサーは1974年に登場
  • アタックの強さや伸びの良いサスティーンを付与
  • かけすぎると抑揚がなくなってしまう
  • 常時ONだとピッキングの感覚が鈍りやすい
  • ダイナコンプ系、ROSS系などがある

 

オーバードライブやワウなどと比べて地味な印象のあるコンプレッサーですが、縁の下の力持ち的な存在のエフェクターです。

サウンドは地味なものの、製品によって音や調節範囲に個性がありますのでしっかり聞き比べるなどして選ぶようにしましょう。

 

 

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