【5分でわかる!】ギブソン・ES-335の歴史と特徴

ギターギブソン

セミアコ(セミアコースティックギター)の代名詞ともいえるギター、ギブソン・ES-335。

そのルックスやサウンドから、ラリー・カールトン氏やノエル・ギャラガー氏など、幅広いジャンルのギタリストに愛用されています。

今回はそんなES-335の歴史や特徴に迫っていきます。

 

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歴史

ES-335は1958年に発売されました。

ES-335登場以前、中空ボディのギターといえばフルアコ(フルアコースティックギター)のみでした。

フルアコは暖かくふくよかなサウンドから人気を博していましたが、大音量で演奏するとハウリングを起こしやすいというデメリットを抱えていました。

このデメリットを解消するために、ギブソンは「フルアコのセンター部分を木で埋める」という策を考え出し、これを形にしたのがES-335でした。

フルアコのセンター部分を木で埋める、というのはアコースティックとソリッドの融合といった意図もあったようです。

ES-335は世界初の量産セミアコースティックギターとなり、ソリッドギターとフルアコのいいとこ取りをしたそのサウンドはたちまち人気に。

発売以降現在まで一度も途絶えることなく生産が続けられています。

1962年にマイナーチェンジではセンターブロックが小型化されてネックが細くなり、ポジションマークがドット型からブロック型に変更されています。

これまではメンフィス工場で生産されていましたが、2019年の工場閉鎖に伴って現在ではナッシュビル工場で生産されています。

 

サウンド

フルアコのような暖かさや太さを持ち合わせつつもソリッドギターのような音と伸びも兼ね備えており、両者のいいとこ取りをしたようなサウンドです。

このためジャズやブルースだけに限らず、ロックやポップスなどにも使用される守備範囲の広いギターです。

 

構造

ボディ

ボディはポプラをメイプルでサンドイッチした合板で、センターブロックはメイプルのみで作られています。

ハイポジションの演奏性を容易にする左右対称のダブルカッタウェイや、鳴りを良くするバイオリンのようなFホールなどが特徴。

ネック・指板

ネックはギブソンお得意のマホガニー。19フレットでボディとジョイントされており、ダブルカッタウェイのボディとも相まってハイポジションの演奏性は上々です。

先述の通り1963年以前のモデルはネックが太く、以降のモデルはネックが細くなっています。

指板はローズウッドが一般的ですが、一部エボニーを使用したモデルも存在します。

ピックアップ

レスポールに搭載されているような標準的なハムバッカーが搭載されています。

現行のES-335には比較的パワーが弱めで、ビンテージ感のあるカスタムバッカーが搭載されています。

ブリッジ

チョーキングやビブラートでもチューニングが狂いにくいよう、これまたレスポールなどと同じチューン・O・マチックが搭載されていることが一般的です。

中にはビグスビー製ビブラートユニットを搭載したモデルや、フルアコのようなブランコ・テールピースとなっているモデルも存在します。

 

ES-335の由来

「ES」はエレクトリック・スパニッシュ(Electric-Spanish)の略で、「エレクトリック」はエレキギター を、「スパニッシュ」は抱えて弾くギターのことを意味しています。

「335」の部分は販売当時の価格...と言われていますが、当時の価格を見てみると270〜280ドルほどであることから、「335は当時の販売価格説」は間違っていると言えます。

実際のところは決定的な資料もなく、「335」と名付けられた理由は不明のようです。

 

派生モデル

ES-335にはピックアップや内部形状の異なる派生モデルが数多く販売されています。

今回はその一部をご紹介。

335-S

1980年から3年間のみ生産されたES-335のソリッドギター版。末尾の「S」はソリッドギター(Solid Guitar)の頭文字です。

ES-335をややスリムにしたボディシェイプで、使用されている木材やピックアップ、ブリッジなどは通常のES-335と同様です。

2011年に限定で復活していました。

ES-330

センターブロックを廃して完全なフルアコ構造とし、ピックアップをP-90へと変更したモデル。ES-335と同じ時期に発売されました。

フルアコとなったことに伴ってチューン・O・マチックからブランコ・テールピースへと変更されています。

1972年に生産中止となったものの、たまにカスタムショップから復刻版が出ることも。

ES-339

335のスペックはそのままに、ボディサイズをひとまわり小さくしたモデル。

2007年に登場した比較的新しいモデルで、軽量で取り回しが良いため近年人気のモデルです。

サイズが小さくなった分低音がやや弱く、タイトなサウンドとなる傾向にあります。

ES-345

ES-335の上位機種として1959年に登場。

ボディシェイプは335と共通ですが、ポジションマークが異なっていたり、ゴールドパーツを使用していたりといった違いがあります。過去にはステレオ出力を備えたものもありました。

中でもES-345最大の特徴はトーンノブの近くに配置されたバリトンスイッチ。(現行モデルにはバリトンスイッチは付いていません)

これは特定の帯域をカットすることができるスイッチで、スイッチを切り替えることによって多彩なサウンドを出すことが可能となっています。

ES-355

ES-335系ギターの最上位に君臨するモデルです。1958年に335と同じタイミングで発売されました。

レスポールで言うところのカスタムに相当するグレードで、ギブソン・カスタムショップにて製作されています。

ES-345のスペックに加えてエボニー指板、パール製のインレイなど、345以上に豪華な仕様となっています。

 

 

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