あなたはギターを保管する場合に弦を緩めますか?
世の中には保管時に弦を「緩める派」と「緩めない派」の2つの意見が存在します。
もちろんどちらかが正解でどちらかが間違い、なんてことはありませんが、緩めなかった場合と緩めた場合、ギターにはどんな影響があるのでしょうか。各メーカーの見解と合わせて紹介します。
弦を緩める場合
どの程度緩めるのかは人それぞれで、1〜2回転緩める方もいれば半音・全音緩める方もいます。
弦を全て外してしまう、という方法もありますが、ネックが波打ってしまったり極端な順反りになったりしてしまうおそれがあるため避けましょう。
弦のゲージにもよりますが、ネックにはおよそ40〜80kgもの力がかかっており、これだけの力が常にかかっていることを考えると緩めておいた方がギターには優しそうな気はします。
特にアコギは太い弦が貼られていることが多く、エレキギターに比べてデリケートであるため緩めた方が良い、という意見が多くあります。
楽器店で販売されているギターは弦を緩めた状態で陳列されていることが多いです。
弾くたびにチューニングを合わせなければならないのは少し手間ですが、ギターを長持ちさせるのにはこちらの方法がいいようにに思えますね。
弦を緩めない場合
チューニングしたそのままの状態で保管する場合です。
再度弾くときのチューニングは微調整だけで済むので楽ですね。私もチューニングし直すのがめんどくさいので緩めない派です。
一方でネックへの負担が気になるところですが、実際のところどうなのでしょうか。
そもそもネックは弦をチューニングした状態での負荷を計算した上で設計されていますし、よほど質の低い木材を使用していない限り木材が安定してしまえばネックはほとんど動くことはないため過剰な心配は無用、というのがよく言われています。
また、弦を緩めたり締めたりすることで逆にネックに負担がかかる、といった声も。確かにネックにかかる力が頻繁に変わるのは良い影響を与えそうにないですよね。
緩めないデメリットとしてはネックだけでなく弦にも引っ張られる力がかかり続けるため弦が伸びてきてしまい、テンションが下がりやすいといったことが挙げられます。
フロイドローズなどチューニングに手間のかかるギターではこちらの方法の方が良さそうです。
各メーカーの見解
弦を緩めた場合、緩めなかった場合の影響を紹介しましたが、メーカーはどちらの方法を推奨しているのでしょうか。
各メーカーの説明書やWEBサイトを元に主要メーカーの見解をまとめてみました。
緩める派のメーカー
Martinは使用後に弦を緩めることを推奨しています。
Fender、Gibson、ESP、YAMAHAは長期間使用しない場合に、K.Yairiは運搬時に緩めることを推奨しています。
ちょっと変わった見解を示すのはTakamine。緩めずに2週間ほど使用・保管し、その後ネックが反っているか否かで緩める・緩めないを判断することを推奨しています。
毎回緩めることはせず、長期間保管する場合にのみ弦を緩めることを推奨するメーカーが多いですね。
緩めない派のメーカー
Taylor、Rickenbackerは使用後は弦を緩める必要はない、または運搬中も緩めなくても良い、といった見解を示しています。
緩める派と比べると少数派です。
まとめ
弦を緩める場合
- ネックへの負担を軽減できる?
- 頻繁にネックにかかる力が変わり逆に悪影響となる場合がある
- 演奏の際にチューニングを合わせる必要がある
- 直期間保管する場合には緩めることを推奨するメーカーが多い
弦を緩めない場合
- チューニングは微調整だけで良いため楽
- ネックにかかる力が常に一定
- 張力が常にかかっているため弦のテンションが下がりやすい
緩めるのも緩めないのも一長一短であることがわかりました。
2つの特徴を見るに、弾く頻度の高いギターは弦を緩めず、長期間保管するギターは少し緩めておくのが良さそうですね。
ご自身のライフスタイルやギターの状態を見て緩める・緩めないを判断しましょう。