スケールとはギターのナットからブリッジサドルまでの長さのことで、短くなればフレットとフレットの間の距離は短くなり、逆に長くなればなるほどフレット間の距離は広くなります。
スケールは全てのギターが同じ、というわけではなくメーカーやモデルよって幾つかの種類に分けることができます。
そこで今回はスケールの種類やそれぞれの弾き心地、音に与える影響などを紹介していきます。
一般的なスケール
スケールはメーカーのホームページに書かれていることがほとんどで、店頭で表示しているところはほとんどありません。
お目当てのギターのスケールを知りたい場合はホームページで確認するか、店員さんに聞いてみましょう。
ロングスケール
ナットからサドルまでの距離が648mm(25.5インチ)のスケール。
ストラトキャスターやテレキャスターなどフェンダー製のギターに多くみられるスケールで、「レギュラースケール」や「フェンダースケール」と呼ばれることもあります。
ミディアムスケール
ナットからサドルまでの距離が628mm(24.75インチ)のスケールです。
ミディアムスケールはレスポールをはじめとしたギブソン製ギターに多く採用されていることから「ギブソンスケール」と呼ばれることもあります。
ミディアムロングスケール
ロングスケールとミディアムスケールの中間、638mm(25インチ)のスケールです。
PRS製のギターなどに採用されています。
ショートスケール
ナットからサドルまでの距離が609mm(24インチ)のスケールです。
ムスタングやジャガーなど一部のフェンダー製ギターやZO-3などのミニギターなどに採用されているスケールです。
まだまだある!? 変わったスケール
マルチスケール
ナットやサドル、フレットを扇型に配置して6弦側と1弦側でスケールを変えたもの。
6弦側のスケールを長くすることで各弦のテンションの均一化を図っています。
エクストラロングスケール
「スーパーロングスケール」とも呼ばれるエクストラロングスケールは、ロングスケールよりもさらに長い675mm(26.5インチ)のスケールです。
弦のテンションが必要となるダウンチューニングでの使用を想定したギターに用いられます。
スケールの違いによる弾き心地の変化
スケールが変わるとフレットとフレットの間の距離が変わるため、弾き心地に大きな影響をもたらします。
ロングスケールとショートスケールを比べた場合、単純計算で1フレット間の距離の差は1.8mmほどの違いですが、実際に弾いてみると数値以上の差を感じると思います。
フレット間の距離は狭い方が弾きやすそうな気もしますが、ハイポジションを多用する場合はフレットの間隔が狭すぎて弾きづらく感じてしまうこともありますので一概にはショートスケールが最高、とはいえません。
そしてスケールは長い方がチューニングが安定する傾向にあります。
ショートスケールのギターでアーミングやチョーキングを多用する場合はこまめにチューニングを行う必要があります。
また、弦のテンション(張りの強さ)はスケールが短いと弱くなります。このためショートスケールのギターに細い弦を張ってしまうとビビリが発生しやすくなってしまうので注意しましょう。
スケールが変わると音も変わる?
スケールの違いとしてやはり気になるのがサウンドへの影響です。
同じギターで異なるスケールのネックを持つギターはほぼ販売されていませんので、音の違いを比べることは難しいものの、一般的にはスケールが長い方が迫力のある音となり、短いスケールのものは軽快な音となる傾向にあります。
まとめ
- 基本的にスケールはロング・ミディアム・ショートに分けられる
- エクストラロングスケールやマルチスケールなど変わり種のスケールもある
- ロングスケールはレギュラースケール、フェンダースケールとも呼ばれる
- ミディアムスケールはギブソンスケールとも呼ばれる
- スケールが長いと弦のテンションは高くなるがチューニングが安定する。短いスケールはこの逆となる
- 長いスケールのギターは迫力のある音、短いスケールのものは軽快な音となる傾向にある
スケール重視でギターを選ぶことはほとんどないかもしれませんが、弾き心地を大きく左右する要素であることは間違いありません。
スケールは長かろうが短かろうが「慣れ」でなんとかなってしまうので気にするほどのことでなはいのかもしれませんが、気になる方は楽器店などへ足を運んで実際に違いを確認してみましょう。
フェンダー製ギターのようにデタッチャブルネックのギターであれば容易にネック交換が可能なので試してみても面白いかもしれませんね。