エフェクター徹底解剖 〜トレモロ編〜

エフェクターモジュレーション系
トレモロ エフェクター 特徴

イタリア語で「振動」や「揺れ」といった意味を持つトレモロ。

似たようなエフェクターにビブラートがありますが、ビブラートは音程を上下させるエフェクト、トレモロは音量を上下させるエフェクト、といった違いがあります。

今回はそんなトレモロの特徴や歴史について紹介します。

 

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トレモロのサウンド

音量が周期的に上下を繰り返し、独特な揺れ感が生み出されています。

弱くかければ心地の良い感じに、強くかければマシンガンのような感じになります。

アルペジオやバッキングなどに使用されることが多いエフェクトで、早弾きやカッティングなどでは効果がわかりにくくなってしまったりなるためほぼ使いません。

また、トレモロの前後にコンプレッサーやディレイが繋がっているとトレモロ本来の効果が失われやすいため注意しましょう。

 

ちなみにギターにもトレモロがついていますが、あれはビブラート効果を生み出すもの(ビブラート・ユニット)なのでエフェクターのトレモロとは意味合いが異なります。(Fender社が誤って名前をつけてしまい、広まったとの噂です)

 

トレモロの種類

三角波

トレモロといえばこの三角波です。

滑らかに音量が上下するので緩やかな雰囲気を出すことが可能。

軽くかけてアルペジオなんかで弾くのがおすすめです。

 

矩形波

「くけいは」と読みます。「スクエア波」と呼ばれる場合もあります。

三角波が滑らかなトレモロサウンドに対して、矩形波はスイッチをオンオフしているような極端な効果が得られます。

マシンガンのような音を出すことも可能で、飛び道具的に使うことが多い波形です。

 

サイン波

三角波と矩形波の間特性を持つのがサイン波です。

BOSSのトレモロペダル、TR-2は三角波〜矩形波をつまみで連続的に可変させることができるので、サイン波のサウンドが欲しい場合はおすすめです。

 

トレモロのコントロール

  • RATE (SPEED):音量の強弱の周期を調節
  • DEPTH:音量の強弱の差を調節
  • WAVE (LFO):波形の調節

製品によって若干違う場合もありますが、基本的にはこんな感じです。

 

トレモロの歴史

トレモロは最も歴史のあるエフェクトだと言われています。

世界で初めてトレモロペダルが発売されたのは1946年のこと。当時販売されていたレスリースピーカー(ロータリースピーカー)のような音を再現するエフェクトとして誕生しました。

DeArmond社より発売されたTrem Trol 800というペダルがトレモロの先駆けです。

このTrem Trol 800、同時に発売された据え置き型のTremolo Control 601と共に人気を集め、1940年代後半以降のアンプにも改造して搭載されるようになりました。

しかしトレモロが搭載されたアンプが一般的になると、「トレモロ=アンプについているエフェクト」という認識が広まってしまい、ペダルタイプのトレモロは下火になってしまいます。

 

再びペダルタイプのトレモロが息を吹き返し始めるのは1980年代になってから。

この頃になるとトレモロ機能のついたアンプは逆に少数派となっていたため、トレモロ効果を簡単に得られるペダルタイプのトレモロの需要が高まっていました。

それに応えるようにBOSSやElectro-Harmonixなどのメーカーから続々とトレモロペダルが発売され、リイシューされたトレモロ付きアンプとともに人気を博していきました。

 

トレモロの仕組み

トレモロは「LFO」と呼ばれる部品を用いて音量を変化させています。

LFOはLow Frequency Oscillatorの略で、日本語に訳すと「低周波発振器」といった意味。

人間の耳には聞こえない超低域の周波(波形)を発生させる装置で、トレモロ以外にもビブラートやコーラスなどのモジュレーション系エフェクターやシンセサイザーなどによく使われます。

トレモロではLFOで発生させた波形にボリュームを当てはめることで、波形に合わせて音量が上下するようになる、といった仕組みです。

 

おすすめトレモロ

BOSS / TR-2

おなじみBOSSのトレモロペダルです。

他のBOSS製ペダル同様ビンテージ過ぎず、かといってハイファイ過ぎないちょうどいい効果を得られます。

WAVEつまみによってキャラクター(波形)を変えられるのもこのペダルのポイントです。

トレモロペダルに迷ったらこれ。

 

DEMETER / TRM-1 Tremulator

つまみ2つだけ、というシンプルなコントロールを持つこちらのペダル。Fenderのビンテージアンプについているトレモロをフィーチャーしたペダルです。

オンにした時に若干ボリュームが上がるものの、ノイズが少なく自然なかかり方をするトレモロペダルです。

 

BEHRINGER / UT300 Ultra Tremolo

泣く子も黙る激安エフェクターブランド、べリンガーのトレモロです。

3000円ちょっとという価格ながらビンテージ感溢れるサウンド、と評価の高いトレモロペダルです。

ちなみに元ネタは先述のBOSS TR-2。安くて使えるトレモロをお探しの方にぴったりなペダル。

 

まとめ

  • 音量を周期的に上下させるエフェクト
  • ゆったりしたアルペジオやバッキングにぴったり
  • エフェクトの特性上コンプレッサーやディレイとの併用は注意が必要
  • 三角波、矩形波、サイン波の3種類ある
  • 1940年代にレスリースピーカーの音を再現すべく誕生した

  

最近ではトレモロだけでなくビブラートやディレイなどの機能を備えた多機能なトレモロペダルも存在します。

楽器店に足を運んで試奏してみたり、動画を確認するなどして自分にあったトレモロペダルを選びましょう。

 

 

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