ボディに大きな丸い銀の板が付いているギター、リゾネーターギター(ドブロギター)。
ロックやポップスではあまり使われていませんし、楽器店でもあまり見かけないギターであるため意外と謎の多い存在です。
シェイプ的にはアコースティックギターやクラシックギターに似ていますが、それらとはどんな違いがあるんでしょうか。
そこで今回は存在は知っているけど意外と謎の多いリゾネーターギターについて解剖していこうと思います。
リゾネーターギターとは
リゾネーターギターは金属または木でできたアコースティックギターの一種で、ボディに1つまたは複数の金属製の共鳴板(リゾネーター)が付いているのが最大の特徴です。
「ドブロ・ギター」と呼ばれることもありますが、実はこれは間違いで「リゾネーターギター」または「リゾフォニックギター」が正式名称です。(ドブロギターでも通じるので問題ないんですが)絆創膏をバンドエイドと呼ぶ人が多いのと一緒ですね。
サウンドホールは一般的な丸いものではなく、バイオリンやフルアコのようなFホールが空いていることが多いです。
主にハワイアンミュージックやブルース、ブルーグラスなどのジャンルで使用され、ストロークでジャカジャカ弾く... というよりかはアルペジオやスライドバーなどで弾くことの多いギターです。
リゾネーターギターのサウンド
音を文章で説明するのは難しいので、動画でそのサウンドを確認してみましょう。
アコースティックギターを比べるとブライトで鉄っぽいサウンドです。バンジョーっぽい音とも言えますね。
先述の通りブルーグラスやハワイアンミュージックとの相性が良く、スライドバーを用いて演奏されることも多いです。
リゾネーターギターのボディは金属製のものと木製のものに分けられ、前者はエッジの効いたブライトなサウンドが特徴で、後者はアコースティックギターに近い丸めのサウンド。
木製のものは金属製のものより大きな音を出すことができます。
リゾネーターギターの歴史
アコースティックギターは音量が小さく、管楽器や打楽器とのアンサンブルの中に埋もれてしまう、といったデメリットがありました。
このデメリットを解消すべく、より大きな音の出るよう考え出されたのがリゾネーターギターです。
ギタリストであるジョージ・ビーチャム氏が後のドブロ・ギター創始者の一人となるジョン・ドピエラ氏に製作を依頼し、製作されたのが起源であると言われています。年代でいうと1920年代後半のことです。
より大きな音を求めて発明されたリゾネーターギターでしたが、実際のところ期待されていたほどの音量は得ることはできませんでした。
しかしアコースティックギターでは出すことのできない独特なサウンドによりブルーブラスやカントリー、ハワイアンミュージックの演奏者から人気を集め、浸透していきました。
リゾネーターギターの種類
リゾネーターギター最大の特徴であるリゾネーター(共鳴板)は料理に使うボウルのような形状をしており、ボディ表面にはそれを収めるための大きな穴が空いています。
リゾネーターにも様々な種類があり、シンプルなシングルコーン、蜘蛛の巣状にフレームが張り巡らされたスパイダーコーン、複数のリゾネーターがついたマルチコーンなどがあります。
また、ネックの形状もスクエアネックとラウンドネックのものとに分けることができます。
ラウンドネックは一般的なギター同様ネックがU字型をしており、スクエアネックは四角のネックを採用しています。スクエアネックはスチールギターのように横に寝かせた状態で演奏するプレーヤー向けのものです。
最後に
国内ではレアな存在であるリゾネーターギターですが、見た目だけでなくサウンドも独特な魅力を持っていることがわかりました。
もちろんブルースやハワイアンミュージックに限らずロックやポップスに使っても問題ありません。
使っているギタリストもそう多くないですし、ステージ映え間違いなしのギターですので是非一度試してみてはいかがでしょうか。