エフェクター徹底解剖 〜フェイザー編〜

エフェクターモジュレーション系
フェイザー 特徴
photo credit: Roadside Guitars Modified Phase 90 On (3) via photopin (license)

 

独特のシュワシュワ感やうねりが特徴のエフェクト、フェイザー。ギターはもちろんオルガンなどにも使われるエフェクターです。

スターウォーズに登場するC-3POの声にもフェイザーが使われているとか。

今回はそんなフェイザーの特徴や歴史、フランジャーとの違いについて紹介します。

 

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フェイザーのサウンド

音を文章で説明するのもなんなので、早速フェイザーのサウンドを動画で聴いてみましょう。

独特のうねりが加わってシュワシュワ感が付与されているのがわかります。

それほど主張が激しいわけではないので、カッティングやバッキング、リフなど幅広く使えるエフェクターです。

 

フェイザーのコントロールは以下の通りです。

  • RATE (SPEED):変化の速さを調節
  • DEPTH:うねりの深さの調節
  • RES (FEEDBACK):うねりの強さの調節
  • MIX:原音とフェイザー音の配合比率の調節
  • STAGE:キャラクター(キラキラ感)の切り替え

製品によって名称やつまみの数が異なりますが、だいたいこんな感じです。

中にはテンポ調節機能が備わったペダルも存在し、楽曲のリズムと合わせることでよりグルービーなサウンドとすることができます。

 

フェイザーの仕組み

フェイザーはかつて Phase Shifter(=位相を変える)と呼ばれていました。

まさにその名の通りのエフェクトで、エフェクターに入ってきた音を2つに分け、片方はそのまま出力、もう片方は位相(音の波)をずらして出力します。

こうすることで2つの音の間に位相の違いが生じ、独特のシュワシュワ感が得られます。

 

他のエフェクターの例に漏れず、フェイザーにもアナログとデジタルの2種類があり、前者は温かみのある太めのサウンド、後者は太さはそれほどないもののクリアで多機能、といった特徴を持っています。

 

フランジャーとの違いは?

フェイザーとよく似たエフェクトとしてフランジャーがあります。

「うねりを加える」という特徴は似ていますが、この2つの違いとして

  • フランジャーは音を遅延させて得る効果
  • フェイザーは位相(音の波)をずらして得る効果

といった違いがあります。

サウンド的にはフランジャーの方が金属的でシュワシュワ感が強いのでソロ等に、フェイザーはシュワシュワ感が弱めなのでバッキングやカッティング等に向いています。

 

フェイザーの歴史

フェイザーは1940年代に開発されたレスリー・スピーカー(ロータリースピーカー)が元となっています。

レスリースピーカーはビブラートやトレモロの効果を得るのが目的の回転機構を備えたスピーカーで、1960年代に人気を博し、オルガンで使用されることの多いスピーカーでした。

トレモロとフェイザーが合わさったようなサウンドです。

ちなみに無改造でそのままギターに使用することができたため、一部のギタリストもレスリー・スピーカーを使っていたようです。

そんなレスリースピーカーですが、サイズが大きく重量もかなりあったため、運搬が難しいというデメリットもありました。

そんなデメリットを解消すべく、多くの企業がレスリースピーカーの音を再現するエフェクターの開発に着手します。

その過程で偶然にもフェイザーは誕生しました。

フェイザーは誕生してすぐにギター業界へ持ち込まれ、1970年代半ばには多数の企業がフェイザーペダルを発売しました。

その後ヴァン・ヘイレン氏やブライアン・メイ氏の使用によりギター業界でもすぐに定着し、エフェクトの1ジャンルとして確固たる地位を築いていきました。

 

おすすめフェイザー

MXR / M101 Phase 90

初のフェイザーペダルとして有名なアナログフェイザーです。

アナログならではの太く温かいサウンドが特徴。また、操作系はSPEEDつまみ1つのシンプルな構成なので、初めてのフェイザーにもおすすめです。

ヴァン・ヘイレン氏のシグネチャーモデルも存在します。

 

BOSS / PH-3

おなじみBOSSのデジタルフェイザーペダルです。

エクスプレッションペダルやフットスイッチを接続して演奏中にサウンドの調節ができたり、7種類ものステージを選択できたりとかなり多機能なのが最大のウリ。

幅広い用途で使用したい方におすすめのペダルです。

 

Electro-Harmonix / Nano Small Stone

Small Stoneのサウンドはそのままに筐体を小型化したNano Small Stone。現行モデルは動画のものとデザインが異なります。

RATEつまみとColorスイッチだけというシンプルな構成ながら、ナチュラルなかかりからエレハモらしいエグいかかりまで、守備範囲の広いエフェクターです。

 

まとめ

フェイザーの特徴をまとめると、以下のようになります。

  • シュワシュワしたうねりを付与するエフェクター
  • 位相のズレによって効果が発生する
  • 1940年代に発明されたレスリー・スピーカーが起源
  • アナログは太く温かいサウンド
  • デジタルは線が細いが多機能

 

フェイザーはフランジャーほど極端にかからないため、比較的使いやすいエフェクターです。

製品によって調節できる範囲や音のキャラクターに違いがありますので、自分の好みや使い方にあったフェイザーペダルを選びましょう。

 

 

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