エフェクター徹底解剖 〜オクターバー編〜

その他エフェクター

 

原音のオクターブ上(下)の音を付与するエフェクター、オクターバー。

広義ではピッチシフターの一種ですが、オクターバーは入力された音のオクターブ上下の音のみを出力するペダルのことを指します。(ピッチシフターはオクターブを含めた任意の音階分の音をずらすことができます)

今回はそんなオクターバーの使い方や歴史について紹介していきます。

 

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オクターバーのサウンド

オクターバーをかけることによって原音に加えてオクターブ下(または上)の音が付与されます。

オクターブ下の音を重ねて音に厚みを出したり、オクターブ上の音を重ねてシンセサイザーのような音を出したりと、正統派なサウンドから飛び道具的なサウンドまで幅広い使い方ができるのがオクターバーの強みです。

オクターバーにはアナログ回路を採用したものとデジタル回路を採用したもの、2種類あります。

アナログ回路を採用したペダルは太く温かみのある音に、デジタル回路を採用したペダルは温かみに欠けるもののクリアで多機能、といった特徴があります。

 

オクターバーのコントロール

  • OCT(OCT UP):1オクターブ上の音のエフェクト音量
  • SUB:1オクターブ下の音のエフェクト音量
  • DRY (MIX):原音とエフェクト音の比率
  • MODE:エフェクトのモード切替

製品によって差異がありますが、大抵のオクターバーのコントロールはこのような感じになっています。

一昔前のオクターバーは単音にしか反応してくれませんでしたが、最近のオクターバーには「ポリフォニック(POLY)モード」と呼ばれるコード弾きなどの和音にも対応したモデルも多く存在します。

ポリフォニックモードは単音モードに比べると処理に時間がかかるため、若干のレイテンシー(遅延)が発生する場合がありますので注意しましょう。

 

オクターバーの歴史

オクターバーが初めて誕生したのは1960年代半ばのこと。

ジミ・ヘンドリクス氏がアイデアを出し、それをロジャー・メイヤー氏が形にしたペダルが世界初のオクターバーです。

ただこのペダルはオクターバー単体ではなく、ファズとオクターバーが一緒になったいわゆるオクターブファズでした。Purple Hazeのギターソロでそのサウンドを聴くことができます。

このペダルはヘンドリクス氏専用に作られたプロトタイプであったため、ごく少量しか生産されませんでしたが、1970年代初頭にTYCOBRAHE社がこのヘンドリクス氏が使用したペダルをコピーしたOCTAVIAを発売しました。これが世界初の量産オクターバー(オクターブファズ)です。

 

単体としてのオクターバーが登場するのは1981年のこと。YAMAHAより発売されたOC-01が初のオクターバーペダルです。

その翌年にはBOSSよりOC-2が発売され、オクターバーは多くのギタリストやベーシストへと浸透していきました。

 

おすすめオクターバー

BOSS / OC-3

定番オクターバー OC-2 の後継モデルです。

オクターブをかける音域を指定できたりドライブモードを搭載していたりとコンパクトな筐体に多くの機能が詰め込まれたペダルとなっています。

オクターバーに迷ったらこのペダル。

 

Electro-harmonix / nano POG

オクターバーの名機POG2のミニサイズバージョンです。

シンプルなコントロールながら最大3オクターブの同時出力が可能で、オルガンのような音や12弦ギターのような音など、幅広い音作りが可能なペダルです。

 

TC ELECTRONIC / Sub 'N' Up Octaver

ビンテージ感溢れるClassicモードとコード弾きにも対応したPOLYモードの2つのモードを持つオクターバーペダルです。

この他にもスマホやPCと接続して細かく音を作り込めるTone Print機能を搭載。

現代的な機能を盛り込んだハイテクオクターバーです。

 

まとめ

  • 原音のオクターブ上または下の音を付与するエフェクター
  • 単音モードと和音に対応したPOLYモードとがある
  • 1960年代半ばにジミ・ヘンドリクス氏が発注したオクターブファズペダルが原型
  • 現在の形のオクターバーは1981年にYAMAHAから登場

 

ピッチシフターの中にオクターバー機能が組み込まれている場合も多いです。

ピッチシフターも付いているならそっちの方がいいじゃん、と思われる方も多いかもしれませんが、やはり単体のオクターバーの方が機能的には充実しており、細かく音を作り込めるのも事実。

ご自身の使い方やプレイスタイルに合わせてペダルを選びましょう。

 

 

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